米大統領選 民主党支持基盤のラテン系有権者の支持に大きな変化
2つの新しい世論調査結果によれば、2024年のアメリカ大統領選挙に向けて、民主党の重要な支持基盤であるラテン系有権者の中で、現職のバイデン大統領への支持が大きく落ち込んでいる。
一方、共和党の元大統領であるトランプ氏への支持は明らかに高まっており、特に若いラテン系男性有権者の間でこの傾向が見られる。
「ニューヨーク・タイムズ」とシエナ・カレッジが共同で行った4月13日の世論調査によれば、バイデン氏とトランプ氏のどちらを支持するかという質問に対して、ラテン系有権者の50%はバイデン氏への投票意向を示したが、これは民主党にとって過去最低の数値である。
対照的に、41%がトランプ氏への投票を検討しており、これは共和党にとっては比較的高い数値である。
もし2024年の大統領選挙の候補者リストに独立系のロバート・F・ケネディ・ジュニアが加わるという別のシナリオを想定した質問において、バイデン大統領のラテン系アメリカ人の支持率は大幅に低下し、41%に落ち込んだ。
対して、トランプ前大統領の支持率はそれほど下がらず、38%を維持していることが分かった。
■政治的影響:ラテン系有権者の投票意向の変化
4月9日に発表した米国のメディアAxiosと調査会社イプソスの共同調査結果によれば、過去3年間でバイデン氏のラテン系アメリカ人からの支持は53%から41%へと12ポイント減少している。
一方で、トランプ氏のラテン系アメリカ人有権者からの支持率は32%と低いものの、2021年の調査から約8ポイント上昇している。
これらのデータは、バイデン氏にとって警告信号であると考えられ、民主党が重視するラテン系アメリカ人の支持が減少していることが示されている。
特に、若いラテン系男性有権者の間では、バイデン氏の再選支持が低い傾向にある。その一方で、共和党のトランプ氏はラテン系コミュニティからの支持を集めているようだ。
イプソスの公共事務部門シニアバイスプレジデントであるクリス・ジャクソン氏は、「バイデン大統領の支持率の低迷は特に注目に値する事象であり、それが現状を如実に示している」と述べている。
ジャクソン氏が指摘するには、インタビューに応じたラテン系アメリカ人の間で最も心配されているのは、バイデン政権のもとでのインフレと生活費の急騰である。一方、「トランプ前大統領はパンデミック以前の経済成果により、広く賞賛されている」とも言われている。
ジャクソン氏をはじめとする政治分析家たちは、ラテン系の投票者にとって、日常の経済的な課題が最優先であり、バイデン氏が選挙キャンペーンで重点を置いた「民主主義の守護」や中絶権の問題はそれほど重要ではないと見ている。