新型コロナウイルス(COVID-19)が世界中に広がり続けている。最近の研究で、プロバイオティクスは、新型コロナワクチンを接種していないが、感染者と接触したことのある人が感染リスクと症状を軽減することがわかった。
このアメリカデューク大学の研究は、今年12月に『Clinical Nutrition』誌に発表された。 研究対象者は182名で、全員が新型コロナウイルスに感染した家族に暴露された経験はあるが、症状は発症しておらず、新型コロナウイルスのワクチンを接種した者はいない。 彼らは無作為に2つのグループに分けられ、一方はプロバイオティクスを、もう一方はプラセボ(見た目や味は薬と同じで薬効成分を含まないものを示す偽薬)を28日間摂取した。
その結果、プロバイオティクス組では91人中24人(26.4%)に症状が出たのに対し、プラセボ組では91人中39人(42.9%)に症状が出た。 また、プロバイオティクス組の新型コロナ診断率は8.8%であったのに対し、プラセボ組は15.4%であり、プロバイオティクス組は診断確定が比較的遅かった。
研究者たちは、参加者の便サンプルの腸内細菌学的分析も行った。106人の参加者から260の便サンプルを採取し、プロバイオティクス組ではプラセボ組に比べ、腸に優しい細菌であるラクトバチルス・ラムノサス(Lactobacillus rhamnosus)の便中濃度が有意に高いことを発見した。
この研究の筆頭著者であり、デューク大学麻酔科の臨床研究担当副委員長であるポール・ウィッシュマイヤー氏(Paul Wischmeyer)は、プレスリリースの中で、新型コロナウイルスが発生する以前から、プロバイオティクスが呼吸器感染症の予防に役立つという確かな証拠がすでにあったと述べた。
同氏は、2017年にNature誌に発表されたインドの乳児を対象とした大規模研究を引用し、プロバイオティクスがT細胞数の増加、炎症性サイトカインの減少、感染に対する肺の防護壁の強化、抗ウイルス遺伝子の発現調節など、多くの方法で免疫機能を改善することを示した。
ウィッシュマイヤー氏は、サンプル数は限られているが、この研究は、体内のマイクロバイオームが新型コロナウイルスだけでなく、将来流行する他のウイルスにも対抗できると付け加えた。
プロバイオティクスが新型コロナウイルス感染リスクを減少させる
これまでの研究で、プロバイオティクスが宿主の腸内細菌叢(腸内フローラ)を変化させ、宿主の腸関連免疫系と相互作用して免疫力を高める抗ウイルス代謝産物を産生する。 腸内フローラの免疫効果は、免疫細胞の移動を通じて肺に伝達され、呼吸器系の保護効果をもたらす。 3か国の40万人以上の参加者を対象としたこの研究では、プロバイオティクスを摂取している参加者は、摂取していない参加者に比べ、新型コロナウイルスに感染するリスクが14%低いことがわかった。
権威ある学術誌『イギリス医学雑誌』(BMJ)の傘下の『営業、予防と健康』(Nutrition, Prevention & Health)に掲載された2021年の研究では、プロバイオティクスとその他の栄養補助食品が新型コロナウイルスに与える影響を評価した。 この研究では、3か国の40万人以上の参加者を3か月間にわたって調査した。その結果、プロバイオティクスを摂取した参加者は、摂取しなかった参加者に比べ、新型コロナウイルスに感染するリスクが14%低いことが示された。
腸内善玉菌の育成は食事から
プロバイオティクスのサプリメントの摂取に加え、良い食事はプロバイオティクスにとって良い環境を提供する。
台湾の家庭医である林旭華(Hsu-hua Lin)氏は、大紀元時報の記事で、良い腸内細菌を育てるには、バランスの取れた食生活を維持し、チーズ、キムチ、納豆、味噌など乳酸菌を含む食品を摂取すること、良い日常生活を送ること、適度な運動をすること、精神的ストレスの解消に気を配ることなど、基本的なことから始めると良いと書いている。
野菜や果物、全粒穀物などの食物繊維を多く摂ると、プロバイオティクスは自然と長生きするようになる。
プロバイオティクスの専門家で、台湾の国立陽明交通大学産学教授の蔡英傑氏は、新唐人放送の「健康1+1」という番組で、プロバイオティクスを補充する最も手っ取り早い方法は、一度に数億個の善玉菌を補充できるドリンクを飲むこと、食物繊維などを補充できるキムチを適量摂取することだと語った。
これらの食材はプロバイオティクスの餌であるプレバイオティクスであり、腸内のプロバイオティクスの増殖を助ける。
また、機能性プロバイオティクスのサプリメントにも事欠かないが、蔡氏は消費者に、使用されているプロバイオティクス菌株の数字に留意し、その有効性を確認する研究論文があるかどうかをネットで検索するようアドバイスしている。
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