小さな習慣で大きな健康効果!エレベーターより階段を選ぼう(下)

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階段上りで心臓の健康をチェック

階段を上る行為は、心臓の健康状態を手軽にチェックする方法として有効なことが、2020年のヨーロッパ心臓病学会の会議で明らかになりました。研究者たちは、4階分の階段を1分以内に上りきることができれば、心臓が健康で良い状態であると報告しました。

スペインのア・コルーニャ大学病院の心臓病専門医、ヘスス・ペテイロ博士は「階段テストは、自分の心臓の健康状態を確認する簡単な方法です」と述べています。また、「4階分の階段を上るのに1分半以上かかる場合は、健康状態が理想的でない可能性があり、医師の診察を受けることをお勧めします」と指摘しました。

 

適さない人は?

オハイオ州立大学ウェクスナー医療センターの心臓病専門医、ラクシュミ・メータ博士は大紀元へのメールで「階段を上ることは心臓血管の健康に非常に良い」と伝えました。同氏は2023年の研究を引用し、1日5段以上の階段を上ると動脈硬化性心血管疾患のリスクが20%以上低下すると説明しました。

メータ博士はまた、「ただし、毎日階段を使うことを推奨できない人もいます」と言います。

「たとえば、重度の心臓弁膜症、重い心不全、肺の病気、または深刻な関節の問題を抱えている人は、階段の昇降に苦労するかもしれません。こうした人たちは、この運動や他の運動方法について医師に相談することが大切です」

メータ博士は2階分の階段を登った後で息が切れてしまう人は、階段を上ることを続けるべきか医師へ相談するようお勧めします。

息切れの原因は体重増加や運動不足の可能性もありますが、メータ博士はこう指摘します。

「時に、息切れはもっと深刻な医療上の問題が原因であることもあります」

 

階段上りプログラムの始め方

どんな運動プログラムでも、個々の現在の体力に合わせて徐々に始めることが大切です。オーストラリアの理学療法士カラム・フレイザー氏はエポックタイムズに宛てたメールでこのように述べています。

「最初の数週間は、感じる負荷を10点満点中、7点以上にしないようにして無理をしないことです。これが肝心なポイントです。その後、階段の段数を増やしても、体が快適に感じ、足が十分に強くなるまでは、週に2~3回のトレーニングに留めましょう。その後は、段数とトレーニング回数を徐々に増やしていきます」

フレイザー氏によれば、ゆっくりスタートすることは、心臓に過度な負荷をかけないためだけでなく、足の関節を傷めないためにも必要です。運動不足で階段を避けがちな人は、急の運動開始をすると膝の怪我につながりやすくなります。階段を上った後は、脚の硬さに注意し、脚のストレッチをして回復を促すことが重要です。

また、全米スポーツ医学アカデミー認定のパーソナルトレーナー、アンドリュー・ホワイト氏も、エポックタイムズ宛の電子メールで、怪我を防ぐための予防策について注意を促しています。

ホワイト氏は「運動をしている時や終わった後の体の感じ方に注意しましょう。特に膝に痛みがある場合は、運動のペースを落として、理学療法士に相談することを考えてください」と述べました。

また、ホワイト氏は階段を上る時の姿勢に注意することを強調しました。背筋を真っ直ぐに保ち、足元ではなく前を見ることで良い姿勢を維持することができます。バランスが必要な場合は手すりを使えばよいのですが、手すりに体重をかけすぎないようにしましょう。足全体をステップにしっかりと置くことで、膝への負担を減らすことも大切です。

ホワイト氏は、安全はどんな運動プログラよいムにも欠かせない要素だと語りました。

「水分補給のために水筒を持ち歩き、滑りにくくてしっかりしたサポートのある快適な靴を履いて、滑ったり転んだりしないように注意しましょう」とアドバイスしました。

 

(翻訳編集:清川茜)

Mary West
フリーランスライター。ルイジアナ大学モンロー校で2つの理学士号を取得。