スマホ依存が若者の鬱、不眠を誘発=新研究
最新の研究結果として、著名な医学雑誌「The BMJ」に掲載された報告によれば、スマートフォンに熱中する若者たちは、うつ病や不安、不眠症に陥りやすいということが明らかになった。
2020~2022年にかけて、ロンドンのキングス・カレッジが英国の学生を対象に実施した調査では、スマートフォンへの過剰な依存が若者の精神健康に悪影響を及ぼしていることが確認された。不安、うつ、不眠はスマートフォンの不適切な使用との関連が指摘されている。
研究チームは、2つの異なるグループで調査を行った。
1つ目のグループでは、2020年1月末から3月初めにかけて、16~18歳の若者657人のデータを収集した。2つ目のグループでは、2022年に13~16歳の若者69人を対象に、4週間にわたる追跡調査を実地した。
依存症治療の専門家、ニコラ・カルク博士によると、スマートフォン依存は賭け事やゲーム依存と同様の特徴を有しているという。
キングス・カレッジのニコラ・カルク博士は次のように述べた。
「依存症の特徴は、自己制御を失い、スマートフォンが生活の中心となることだ。結果として、多くの時間をスマートフォンに費やし、他の意義ある活動や睡眠時間を犠牲にしてしまう。彼らはその負の影響を理解していても、行動を変えることができない」
研究者たちは、スマートフォンの使用時間、スクリーンタイムと、その不適切な使用方法は別の概念であると述べている。
スクリーンタイム自体は、うつ病や不安症と直接的な関連はないが、過度な使用は睡眠に悪影響を与えることがある。問題はスマートフォンの不適切な使用にあり、これが特に若者の深刻な心理的健康問題、例えばうつ病や不安症を引き起こすことになる。
カルク博士は次のように述べている。
「スマートフォンを不適切に使用する人は、そうでない人と比べて、不安障害になるリスクが2倍、うつ病になるリスクが3倍高い」
では、若者たちがスマートフォンへの依存を避けるために、私たちはどのような対策を取ればいいのだろうか。
カルク博士によると、親が子供と共に時間をかけてこの問題について話し合い、家庭内で健全なスマートフォン利用の習慣を形成することが大切だとしている。