FSOC 年次報告書で米国金融システムの脆弱性指摘
米国財務安定監督審議会(FSOC)は、2024年の年次報告書で、米国の金融安定性に対する14の主要な脆弱性を特定した。特に、商業用不動産市場のストレス、サイバーセキュリティの脅威、デジタル資産のリスクが深刻な課題として挙げられている。この報告書は12月6日に公表され、14の分野における金融の脆弱性を特定し、預金機関のリスク管理慣行の強化、商業用不動産の信用リスクへの対処、デジタル資産の規制枠組みの確立など、金融の安定に対するリスクを軽減するための勧告を行っている。
イエレン財務長官は声明で「米国経済と国民の繁栄は、金融システムの安定性にかかっています」と述べた。また、新たな脆弱性に対応することで、「市場の回復力、効率性、安定性を高める必要がある」との考えを示した。
商業用不動産市場は、空室率の増加や賃料の伸び鈍化、そして連邦準備制度(FRB)の高金利政策による借入コストの上昇が深刻な課題とされている。FSOCは、大都市部のオフィス物件で空室率が過去10年間で最高水準に達していると指摘。リモートワークの定着など構造的変化が、この問題をさらに悪化させている。
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