スイス・ジュネーブにある世界保健機関(WHO)本部( FABRICE COFFRINI/AFP via Getty Images)

WHOの財政危機深刻化 アメリカ脱退が引き起こす波紋

アメリカのトランプ大統領が世界保健機関(WHO)からの脱退を発表したことで、WHOは財政難に陥り、採用凍結や投資停止、不要不急の出張削減といった対策を講じる方針を明らかにした。WHOのテドロス事務局長は、「アメリカの脱退が財政状況をさらに厳しくした」と述べている。

国連は1月23日、アメリカが2026年1月22日にWHOを正式に脱退すると発表。トランプ大統領は1月20日の就任直後にこの決定を発表し、WHOがパンデミックなど国際的な衛生危機への対応を誤り、「中国(中国共産党)の操り人形だ」と非難した。WHOは翌21日、「最大の支援国であるアメリカの脱退を遺憾に思う」と声明を出した。

アメリカの決定を受け、他国にも同様の動きが広がっている。イタリアの副首相マッテオ・サルヴィーニ氏は1月23日、Xで「イタリアもアメリカに倣いWHOから脱退すべきだ」と投稿。「WHOに資金を提供する必要はなく、1億ユーロを国内の患者支援や病院の資金に使おう」と主張した。

▶ 続きを読む
関連記事
米軍の大型爆撃機が駐留する英国のフェアフォード空軍基地で、襲撃計画の疑いで逮捕された男5人が保釈された。保釈されたことについて、トランプ米大統領はホワイトハウスで記者団から質問され、「驚いている。私ならそうはしない」と述べた
米中両国が、それぞれ約300億ドル相当の関税引き下げ対象リストを公表した。米国側は77分類、中国側は1619分類で、対象品目には大きな違いがみられる
スペースXの大型ロケット「スターシップ」が第14回飛行試験で初めて地球周回軌道に到達した。スターリンクV3衛星26基を展開し、大気圏再突入と太平洋への着水も実施した
米国が対中AI半導体輸出規制を強化するなか、エヌビディア製半導体や高性能GPU搭載サーバーが東南アジア経由で中国に流入しているとの研究が相次いでいる。第三国経由の迂回輸送や最終利用者の確認など、輸出規制の課題を追う
米中首脳会談で延長の「貿易休戦」。だが、レアアース問題は解決していない。米欧が供給網を再構築するまで数年を要する一方、北京はなお輸出管理を交渉材料にできる。2027年1月10日までの「時間」をめぐる競争が始まった