蚊が人を刺すのは、人の呼吸、体温、匂い、血液型、さらには服の色にまで関係があります。
韓(ハン)さんは、自分が特に蚊に刺されやすいことに気付きました。友人やご主人と一緒にいても、蚊は彼女の周りばかり飛び回り、「ほかの人は何ともないのに、私だけが全身刺されてしまうんです」と言います。
彼女は周囲の人たちと確かに少し違っていました。体型は太っていませんが、汗をかきやすく、肺活量も大きいのです。「しかも私はO型なんです。もしかして本当に蚊はO型の人が好きなんでしょうか?」と彼女はいいます。
蚊が「吸血」するのには好みがあり、それは人の呼吸、体温、匂い、血液型、服の色にまで関係しています。以下の6種類の人は、特に蚊に好かれやすいようです。
蚊に狙われやすい6つのタイプ
1. O型の人
日本・千葉県八千代市害虫防除技術研究所の所長、白井良和氏が行った実験では、血液型が異なる64人に前腕を蚊の入った大きなガラス箱に入れてもらい、どの血液型の人に蚊が多く止まるかを調べました。その結果、O型>B型>AB型>A型の順で、O型が最も蚊を引き寄せやすいとわかりました。
欧米の複数の研究でも、この結果は裏付けられています。『ネイチャー』誌に掲載されたある研究では、20匹の雌蚊を入れた箱に、血液型の異なる人がそれぞれ腕を10分間入れたところ、O型の人は5か所刺され、他の血液型の人は3か所刺されました。ただし、なぜ蚊がO型を特に好むのか、その詳しい理由は今もはっきりしていません。
2. 肺活量が大きい人
蚊の触角には二酸化炭素を感知する「受容器(感知する器官)」があります。蚊は無風の状態でも、5メートル以内で1万分の1という微量の二酸化炭素を感じ取ることができます。人が吐き出す二酸化炭素の濃度は、この1万分の1よりはるかに高く、通常、肺活量が大きい人ほど二酸化炭素を多く吐き出すので、蚊に見つかりやすいのです。
3. お酒が好きな人
お酒が好きな人も蚊に狙われやすいです。蚊はアルコールも感知できるのかと疑う人もいますが、東京大学で50年にわたり蚊を研究してきた池庄司敏明元教授がNHKニュースの取材で語ったところによると、これは体内でアルコールが分解される際に、二酸化炭素が多く発生し、それが呼気として排出されるため、蚊に見つかりやすくなるからだそうです。
4. 体温が高い人
蚊の触角には約2,000個もの受容器があり、その中には温度を感知するものも多く含まれています。その感度は非常に高く、0.05度の変化さえ感じ取ることができ、人間の温度感知能力の10倍にもなります。そのため、蚊は空気中にさらされた肌の温度の変化をしっかりと感じることができます。
一般的に体型が大きい人は体温が高く、妊婦は通常よりも平均で1.26度高くなるため、どちらも蚊に狙われやすいのです。
5. 汗をかきやすく、体臭が強い人
蚊は人の体から発せられる乳酸の匂いや汗の匂いなどの「異臭」を敏感に感知します。そのため、汗をかきやすい人、運動直後の人、足の匂いが強い人などは、特に蚊に刺されやすいです。
さらに、化粧品を厚塗りしすぎるのも蚊を引き寄せやすくなります。国立陽明大学医学部熱帯医学科主任の蕭孟芳氏は著書『蚊之色変』の中で、多くの化粧品には蚊を引き寄せる化学成分が含まれていると指摘しています。
6. 黒い服を着ている人
蚊は人間のように色を細かく見分けることはできませんが、強いコントラストの色、特に黒色に対しては高い感度を持っています。また、蚊は薄暗い環境で吸血するのを好むため、濃い色の服や肌が黒い人は、より蚊に刺されやすくなります。さらに、黒は明るい色よりも熱を吸収しやすく、体温が上がりやすいのです。そのため、夏場は黒の服をなるべく避けて、蚊に刺されにくくするのが良いでしょう。
(翻訳編集 井田千景)
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