人はよく私に「どうすればもっと忍耐強くなれるのか」と尋ねます。彼らはすぐにイライラしたり、怒ったり、我慢できなくなったりしてしまい、それが人間関係にとって良いことではないからです。
私自身、「忍耐のなさ」とは長い付き合いがあり、とてもよく知っています。
私が自分の中で忍耐力がないと感じるのは、例えばこんなときです:
- プロジェクトや学習、習慣づくりなどにおいて、早く成果を出したいのに思ったより時間がかかると、すぐに結果を求めてイライラしてしまう。
- 誰かに何かを教えているときに、相手がすぐに理解してくれないと、自分がうまく教えることができていないのではないかという不安からフラストレーションを感じる。
- 他の人がプロジェクトで自分が望むペースで動いてくれないとき、やはり早く結果が欲しくてイライラする。
こういった気持ちに、あなたも心当たりがあるのではないでしょうか。
忍耐力を身につけるには
覚えておいてほしいのは、忍耐力を養うには、少しの忍耐が必要だということです! 皮肉に聞こえるかもしれませんが、すぐに切り替えられるものではないと理解しておくことが大切です。忍耐力を高めるには練習が必要です。
私たちが忍耐強くなれない理由
より忍耐強い心の持ち方に変わるためには、まずなぜ私たちが忍耐強くなれないのかを理解する必要があります。
多くの場合、私たちが忍耐強くなれないのは、自分の欲しいものを「今すぐ」手に入れたいからです。できるだけ早く結果が欲しい。早く上達したい。学んでいる過程を飛ばして、すぐにうまくなりたい。
つまり、私たちは「混乱している成長の段階」を嫌うのです。あたかも、家を建てるときに工事の段階を飛ばして、完成した家にいきなり入りたいと思うようなものです。初心者でいたくない、一瞬で専門家になりたいと思うのです。
もし、成長の段階にある不快感を経験したくないのであれば、成長を経験することもできません。
ゴールに早くたどり着きたいという気持ちに加えて、私たちは他人にも自分の思い通りに動いてほしいと願っています。早く動いてほしい、私が望むやり方でやってほしい、早く覚えてほしい――そうすれば物事が早く片付くからです。自分自身の成長過程に寛容さを持てないのと同じように、成長している他人にも寛容さを持てません。相手に最初から完璧であることを期待してしまうのです。
心の持ち方を変える
では、なぜ自分が忍耐強くなれないのかを理解したうえで、どうすればもっと忍耐強くなれるのでしょうか?答えは、自分自身や他人の成長過程に対して寛容さを持つことにあります。ヒントを言うと、それは私たち全員に必要なことです。
私たちは、成長過程にある不快感に対して耐性を養う必要があります。初心者でいることや失敗することは、決して心地よいものではありません。その不快感から逃げ出したくなる――それが忍耐力を失う大きな理由なのです。
では、どうすればこの不快感に耐えられるようになるのでしょうか?
成長や学びの中に美しさを見出す練習をしてみてください:
- 失敗する中に美しさを見出せるでしょうか? ここにこそ学びがあります。
- 初心者でいることの中に美しさを見出せるでしょうか? ここには無限の可能性があります。
- 混乱している状態の中に美しさを見出せるでしょうか? ここにこそ創造性が生まれます。
- 自分が望むスピードで進めない中に美しさを見出せるでしょうか? ゆっくりした時間の中で、好奇心を深めることができます。
実践のしかた
成長、学び、ゆっくり進むこと、混乱の中に美しさを見つけるという新しい心の持ち方を身につけると決めてください。
自分がイライラしていると気づいたとき――早く進めたいとき、今すぐ結果が欲しいとき、他人に自分のペースで学んだり動いたりしてほしいとき――その瞬間に気づくようにしてみましょう。
イライラに気づいたら、一度立ち止まって深呼吸をしてください。そして、それを混乱の中に美しさを見出すチャンスだと考えてみてください。
そして、少しペースを落とし、成長や学び、混乱、失敗、初心者でいること、ゆっくり進むことの中にどんな美しさがあるか、振り返ってみてください。
また、他人の成長過程にも寛容さを持ちましょう――相手の中にどんな美しさを見つけられるでしょうか?
(翻訳編集 井田千景)
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