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尿に泡が出たら要注意? 腎臓病の早期サインと食事法

多くの人から「腎臓病のときはどう食べればいいのか?」と質問されます。基本はバランスの取れた食事ですが、特に注意すべきはたんぱく質の量です。たんぱく質を含む食品には、大豆、魚、卵、肉類、乳製品、全粒穀物、ナッツ類、さらには野菜にも少量ですが含まれています。

台湾では腎臓病の患者数は糖尿病に劣らず、罹患者数は200万人を超えており、8人に1人が慢性腎臓病を抱えています。多くの人は自分が腎臓病であることに気づかず、症状があまり出ないため、重症化すると透析が必要になることもあります。実は簡単な判定方法があり、「泡・水・高・貧・倦」という覚え方があります。

腎臓病の簡易判定法

  • :尿に泡が出て、なかなか消えない。過度に心配する必要はありませんが、すぐに検査を受けることが大切です。尿検査や血液検査で確認できます。
     
  • :下肢にむくみがある場合は注意が必要です。判定方法は、皮膚を押して元に戻るのが遅ければむくみです。
     
  • :高血圧の人は特に注意が必要で、定期的に腎機能を検査しましょう。
     
  • :貧血。下まぶたを下げて、赤みがあれば正常ですが、血色がなければ注意が必要です。慢性腎臓病は貧血を引き起こすこともあるため、貧血の症状があれば腎機能検査を受けた方が良いです。
     
  • :体内に尿毒がたまると、疲れやすくなり、吐き気、嘔吐、全身のかゆみなどが出やすくなります。

さらに「糖・老・圧」というリスク要因があります。糖とは血糖値が高い人。血糖コントロールが悪いと腎機能が低下しやすい。老とは高齢者。65歳を過ぎると身体機能が衰えるため、定期的な検査が必要。圧は高血圧。長期間続くと腎臓の血圧が高まり、腎機能に影響を与えます。
 

腎臓病の人はどう食べるべき?

では、慢性腎臓病は一体どう食べればよいのでしょうか?まず、自分の腎機能がどの段階なのかを判断することが大切です。参考となる数値は「糸球体濾過量」です。もし数値が60以下なら、すでに第3期であり、特に注意が必要です。

1. カロリー

カロリーは十分に摂る必要があります。どれくらいかというと、体重に30〜35を掛けた範囲が目安です。

腎臓病の人がカロリー不足になると、体が筋肉を分解してしまい、体内に窒素を含む老廃物が生じやすくなり、尿毒症がますます悪化してしまいます。

2. たんぱく質

健康な人のたんぱく質摂取量は、体重1kgあたり1.1〜1.2gです。しかし腎臓病が第3期以降の人は、0.6〜0.8gしか摂ることができません。健康な人の半分ほどです。

一般的に「たんぱく質1単位=7g」とします。7gのたんぱく質とはどのくらいでしょうか?

  • 豆類:大豆は約20gで1単位、黒豆は約25gで1単位、枝豆は約50gで1単位。

もし体重50kgの腎臓病患者なら、1日に4単位しか摂れません。豆類は植物性たんぱく質であり、腎臓への負担が比較的小さいので、豆類を優先することをすすめます。

  • 豆製品:豆腐皮(トウフーピー)は約30g=1単位、パスタは約35g=1単位、素鶏は約35g=1単位、干し豆腐は約40g=1単位、豆腐は約80g=1単位、卵豆腐は約100g=1単位、豆乳は約200ml=1単位。
     
  • 海鮮:魚は35g=1単位、エビは50g=1単位、カキは65g=1単位、ナマコは100g=1単位、ハマグリは約20個=1単位。
     
  • :卵は完全なたんぱくで、1個=1単位。ただし卵黄を含むため、高脂血症の人は食べすぎに注意。
     
  • 肉類:鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉は35g=1単位。肉類は最後に、ゆっくり、少なめに摂ることをすすめます。動物性たんぱく質は腎臓に負担が大きいからです。

3. リン

たんぱく質の量を制限するほか、特に注意すべきはリンの含有量です。リンも腎臓に負担をかけます。リンを含む食べ物は多くあります。たとえば牛乳はリンが多く、慢性腎臓病の人は1日1杯(240ml)を超えないようにしましょう。

玄米もリンが特に多いため、食べすぎは禁物です。1日3食のうち1食だけにとどめましょう。

ナッツ類も量に注意が必要です。ナッツもリンを含むため、1日1単位までです。

特に注意すべきは加工食品です。加工食品は高脂肪・高塩分・高糖分であるだけでなく、リンの含有量も非常に高いのです。保存や保水のためにリン酸塩が添加されており、リン酸塩は吸収されやすく、体で代謝しにくいのです。

主食としては、白米、ビーフン、レンコン粉、澄粉、片栗粉、大根餅などが食べられます。これらは低たんぱく食品であり、腎臓病患者でも摂ることができます。

4. カリウム

カリウムも腎臓で代謝されるため、摂りすぎは負担となります。葉物野菜にはカリウムが特に多いため、食べすぎてはいけません。しかし、あらかじめ下ゆでしてから油で炒めると、カリウムがいくらか減ります。

慢性腎臓病患者は、きゅうりやキクラゲなどカリウムが少ない食材を選ぶことができます。

果物も注意が必要です。カリウムが多いものもあるため、1日2単位までに制限しましょう。

5. ナトリウム・水分

ナトリウムは摂りすぎてはいけません。塩辛いものは避けましょう。水分も制限が必要です。水分も腎臓で代謝されるため、腎臓の負担が増します。重症の人は、水分摂取量を「前日の尿量+500〜700ml」とするとよいです。

6. 民間療法や不明な薬

民間療法や出所不明の漢方薬を安易に使用してはいけません。中には重金属が含まれている場合があり、腎臓への負担を増やします。
 

おすすめ料理

腎臓病の人の食事は少し難しい面がありますが、それでも工夫すれば美味しい料理を作ることができます。

食材:

  • 春雨やビーフンを使用(たんぱく質をあまり摂れないため)
  • 野菜  白菜、キクラゲ、ニンジン、キュウリ(カリウムが少ない)、適量のニンニクの芽
  • 味付け  みじん切りニンニク、揚げエシャロット、エキストラバージンオリーブオイル、減塩醤油や低ナトリウム醤油(カリウム塩を含まないもの)

作り方:

  1. まず白菜・キクラゲ・ニンジン・ニンニクの芽を下ゆでして取り出しておく(カリウムを減らすため)
     
  2. フライパンに油をひき、みじん切りニンニクを炒めて香りを出し、水で戻した春雨を加えます。
     
  3. 少しの水と醤油を入れて炒め、さらに揚げエシャロットと下ゆでした野菜を加えて一緒に炒めれば完成です。

これはベジタリアンも食べられる料理です。

*キュウリは軽く下ゆでし、塩もみして食感を出します。それをフライパンに入れ、少量の黒コショウを加えて香りを引き立て、さっと炒めて仕上げます。

(栄養士・黄君聖Sunny氏のYouTubeより引用、大紀元)

 

まとめ

腎臓病の食事は少し手間がかかり、注意点も多いですが、意識して取り組めば腎機能の低下を遅らせ、透析に至ることを避けられます。

腎臓の健康が心配な人は、まず定期的に腎機能を検査することが大切です。腎臓は肝臓と同じで「沈黙の臓器」と呼ばれ、痛みや違和感がなく、症状が出た時にはすでに重度の状態であることが多いからです。必ず早めに検査して数値が正常か確認しましょう。

さらに、高血圧・高血糖・高脂血症を予防することも重要です。すでに三高がある人は特に注意が必要で、腎臓病の合併症にもつながります。

そして何より大切なのは、根拠のない民間療法や不明な薬を使わないことです。鎮痛剤を常用するなど誤った服用は、腎臓への負担を大きくし、機能低下を招きます。

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(翻訳編集 華山律)