陳情民の俞忠歓氏の自宅裏で監視にあたる、当局が雇った男。2025年10月、北京市。(受訪者提供)
財政難で監視も縮小へ 異議者を「自宅監視」に切り替え

「カネがない!」 揺らぐ「治安維持」体制=中国

中国共産党の重要会議「四中全会(しちゅうぜんかい)」を前に、各地で異議者や人権活動家への監視が強まっている。

こうした動きは党の大会や記念日など「敏感な時期」には毎回のように行われる恒例措置だが、今年は「旅費がない」として「強制旅行」をやめ、自宅での監視に切り替えられた。財政難が治安維持の現場にまで及んでいる。

なお、四中全会とは、共産党の最高指導部が年に一度ほど集まり、経済や社会の方針を決める重要会議である。今回は10月20日に北京で開かれる予定で、景気悪化や失業対策などが主な議題とみられている。

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