2025年10月15日、カンボジアのプノンペンにある太子集団所有のプリンス・インターナショナル・プラザの前を歩く男性。米国司法省は最近、太子集団の会長である陳志を起訴した。(TANG CHHIN SOTHY/AFP via Getty Images)

太子集団の闇 元諜報員が明かす中国共産党の海外スパイ網の実態

カンボジア沿岸部の都市シアヌークビルには、外国人労働者が誘拐・監禁され、暗号資産詐欺を強制される「詐欺団地」と呼ばれる施設群が存在する。こうした組織を背後で操っていたとされるのが、中国系コングロマリット「太子集団(Prince Group)」であり、その創業者・陳志(ちん し)が米司法省によって起訴された。米当局は、太子集団が人身売買や強制労働を通じて1日3万ドル(約48億円)を稼ぎ出し、犯罪で得た暗号資産150億ドルを保有していたと指摘。

しかし、起訴状が示すのは問題の一端に過ぎない。太子集団の商業活動の背後には、中国共産党の海外情報活動や弾圧工作を支援する資金が、後方拠点として機能している可能性がある。

陳志(38)は福建省出身で、中国とカンボジアなど複数国籍を持つ。若くしてカンボジアの不動産市場に参入し、短期間で事業を拡大したが、その背景には中国共産党(中共)公安部や国家安全部の支援があったとされる。

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