左は中国SNSのコメント欄。これまで完全に禁じられてきた「于朦胧」の名前が突然表示され、多くのユーザーが驚きを隠せなかった。右は故・中国人俳優の于朦朧(スクリーンショット/合成)
中国版ティックトックで「反習反共」の声急増

検閲の「ほころび」か「罠か」 中国SNSでタブー解禁?

中国版TikTok「抖音」で、長年タブー扱いされてきた言葉が相次いで表示される異例の現象が起きている。

不可解な死で封じられてきた俳優「于朦朧」の名前だけでなく、「六四(天安門事件)」「趙紫陽(天安門事件で学生への強硬措置に反対し、失脚した当時の最高指導部メンバー)」といった政治的禁句までもが削除されずに残っている。

通常であれば、抖音や小紅書、微博といった中国の大手SNSは、中共の言論統制が最も厳しい場所である。ニュースの検索ワードや投稿はもちろん、一般ユーザーのコメントに至るまで、敏感な内容は「秒で削除」「即アカウント封鎖」が当たり前だった。

▶ 続きを読む
関連記事
「本当にごめんなさい…今回は観に行けない。だって、この戦い、負けられないから。」 中国でいま何が起きているのか。 トップスターのファンが涙を呑んで“映画を観ない”戦いとは――? #娯楽ボイコット #于朦朧事件
「于朦朧事件」連載第2回。沈黙を強いられる地上で何が起きているのか。世界では「Justice for Alan Yu(アラン・ユーに正義を)」の声が響いている。
国家ぐるみの隠ぺいと封殺。 地上で正義が得られないとき、人々は別の領域に答えを求め始める。 第1回「霊界からの追跡」。
中国人俳優・于朦朧(アラン・ユー)の死をめぐり、中共が空前の検閲。投稿が消され、市民は出前アプリの「メモ欄」に真相を求める訴えを書き込んだが、当局はその機能すら封鎖した。