張又侠中央軍事委員会副主席大将は、2024年4月22日、中国青島で開催された西太平洋海軍シンポジウムの開会式で演説した(ケビン・フレイヤー/ゲッティイメージズ)

国防粛清の拡大は習近平の軍事的野心に打撃を与える

中国共産党(中共)政権は、軍の最高位の将軍に対する調査に着手した。予想外の展開であり、中国軍の即応態勢や、台湾侵攻を遂行する中国共産党の能力に新たな疑問が生じている。

国防部は1月24日、中央軍事委員会 第一副主席で政治局員でもある張又侠上将に対する調査を開始したと、2行の声明で発表した。

発表では「重大な規律・法令違反」との容疑以外に詳細は示されなかった。この党内用語は汚職を指すことが多いが、不忠やその他の不正行為を意味する場合もある。

▶ 続きを読む
関連記事
12日の中国外交部会見で示された、台湾有事を「内政」とする論理が日本や沖縄にもたらす法的リスクを分析。中国共産党の法律戦・心理戦に対抗し、日本が発信すべき戦略的ナラティブとは何か?
中国軍副主席・張又侠の失脚後、軍報が過去の反逆者・張国燾を異例の頻度で批判。これは張又侠が軍を私物化し「別の党中央」を企てたことへの暗示か。習近平一強体制における軍内部の激しい権力闘争の深層に迫る
「(国防は)我々が団結し、対外的に共同戦線を張るべき領域である」と頼清徳総統は述べた
紅二代の作家・畢汝諧氏が、習近平による張又俠排除の内幕を分析。父・張宗遜の失脚を機に実戦で軍功を重ねた張又俠の経歴を紐解き、軍の実力者を粛清して「党指揮槍」を徹底させようとする習政権の論理を暴く
現在拡散されているある動画の中で、中共軍の兵士が「党が撃てと言えば撃つ」と発言した。天安門事件でも軍が使った論理である。しかし、命令が下された際、誰かが一瞬でも立ち止まり、心の中で問いかける。「本当に実行すべきか?」その一秒こそが、体制が最も恐れる瞬間なのかもしれない