幼児との旅行は、必ずしもストレスだらけである必要はありません。ちょっとしたコツと事前の計画を押さえれば、ぐっと楽に楽しめます。
親の育児観は、必ずしもいつも正しいとは限りません。たとえば「小さな子どもがいるから旅行は無理」という考え方です。確かに、幼児を連れての旅行には不便な点も多くありますが、その一方で、楽しさが増える面もあります。そもそも旅の醍醐味のひとつは、世界を新しい視点で見ることにあります。そこに、無邪気で好奇心旺盛な小さな子どもが加わることで、その体験はより生き生きとしたものになるかもしれません。
幼児を連れての旅行、ましてや海外旅行は、すべての人に向いているわけではありませんが、多くの親が想像するほど難しいものでもありません。世界を旅するトラベラーであり、旅行ブロガーでもあるジェニー・リンは、「自立心を育てる探索型の親子旅行は十分に可能であり、子どもと一緒だからこそ、旅はより豊かで面白いものになる」と書いています。
私と妻は最近、2歳の娘を連れてイタリアを旅行しました。旅の途中で小さなトラブルやぐずる場面は何度かありましたが、全体としてはとても楽しい旅でした。娘が一緒だったことで、むしろ旅の体験は制限されることなく、より豊かなものになったと感じています。
これから同じような旅に挑戦してみたいと考えている親御さんに向けて、私たち自身や他の人の経験から得たアドバイスをご紹介します。
早く搭乗しすぎない
一部の航空会社では家族優先搭乗が認められていますが、これは必ずしも理想的な特典とは言えません。搭乗後の機内は空港より自由度が低く、子どもを楽しませる手段も限られます。早く乗り込むことで、出発前から長時間子どもをあやすことになり、離陸前にあらゆる手段を使い切ってしまう可能性もあります。そのため、リンも子ども連れでの早すぎる搭乗は勧めていません。
一方で、保安検査や入国審査に家族優先レーンがある場合は、ぜひ活用しましょう。私たちはポルトガルとイタリアの空港でこうしたレーンを利用でき、長い待ち時間を大幅に短縮できました。

荷物は最小限にし、洗濯の計画を立てる
10日間のイタリア旅行で、私たち夫婦と2歳の娘は、バックパック2つだけで旅をしました。ほかの荷物は一切ありませんでした。ミニマルなパッキングには事前準備が必要ですが、手荷物受取を待つ必要がなく、追加料金もかからず、時間と手間、費用の節約につながります。両手が空くため、子どもを抱っこしたり手をつないだりするのも楽になります。ポイントは、旅の途中で1〜2回洗濯をする計画を立てることです。滞在したAirbnbには洗濯機がありましたが、万が一に備えて洗面台や浴槽で手洗いする心構えもしていました。
親も子どもも、着回しできる服を数点選ぶことで荷物を減らせます。ブロガーで旅行家のキャシー・パタルスキーは、「服よりも靴を多めに持つのがおすすめ」と言っています。子どもは靴をすぐ汚したり、突然『履き心地が悪い』と言い出すことが多く、替えの靴があるだけで旅の快適さが大きく変わるからです。

ゆっくりしたペースを受け入れる
幼児との外出では、オムツのトラブルやぐずり、突然のお昼寝は避けられません。歩くスピードも遅く、すぐ気が散ってしまいます。そのため、A地点からB地点へ急ぐことを前提にせず、柔軟で余裕のある予定を組むことが大切です。考え方を切り替えることで、無用なストレスを避けられます。私たちの旅でも、このゆったりしたペースを受け入れたことで、すべてを詰め込もうとするよりも、ずっとリラックスして過ごせました。家族向けの街を一つ選び、次の観光地に急ぐのではなく、街を散策しながら文化を味わう時間を大切にしました。
十分なおやつと特別な本やおもちゃを用意する
空腹ほど、楽しい旅を台無しにするものはありません。空腹になると、幼児はもちろん、大人でさえ急に不機嫌になります。そのため、プロテインバーやチーズスティック、ドライフルーツなどのおやつを常に携帯しておくことが重要です。現地で手軽に買えない場合もあります。
軽装での旅行を心がける一方で、おもちゃは厳選しましょう。バックパックに入る小さなもので、遊びの幅が広いものがおすすめです。シールブックは、軽くてかさばらず、数時間子どもを楽しませてくれる優れものです。長時間のフライトでは特に重宝します。
フィルター付きの水筒を持参する
水筒を常に持ち歩けば、「喉が渇いた」という訴えにもすぐ対応できます。特に飲料水が手に入りにくい場面では役立ちます。LifeStrawのような浄水フィルター内蔵型の水筒を使えば、水質を過度に心配することなく、さまざまな水源から水を補給できます。
幼児用キャリアを検討する
ベビーキャリアに似ていますが、より大きな幼児向けに設計されたキャリアです。長時間の移動では非常に便利でした。私たちが使ったものは、強化された斜め掛けの構造で、子どもを腰に安定して支えられ、慣れない環境でも安心感があります。また、長時間抱っこする際の腕の負担も軽減できます。ただし、構造によっては使い続けると肩が疲れることもあります。

現地のおもちゃやおやつを選ぶ
パタルスキーは、現地のキャンディーを試したり、その土地ならではのおもちゃを子どもに買ってあげることを勧めています。おもちゃはお土産にもなり、子どもが現地文化を体験するきっかけにもなります。おやつは旅へのワクワク感を高めてくれますが、糖分の摂りすぎは血糖値の急降下による情緒不安定を招くため、注意が必要です。
罪悪感を持たない
経験豊富な親たちは、「周囲の人が自分の子どもをどう思うかを気にして、余計なプレッシャーを感じないこと」が大切だとよく語っています。もちろん、公共の場でできるだけ静かに、マナーを守らせる努力は必要です。しかし、子どもが時に大きな声を出したり泣いたりするのは、人間社会では自然で、受け入れられるべきことです。親としては、できる限りのことをすれば十分です。多くの人は理解があり、子どもらしい行動に寛容です。私たちも旅の途中、娘が一日の疲れと慣れない環境から公共の場で泣き叫ぶ場面がありましたが、不快な時間は短く、誰かに責められることもありませんでした。
幼児との旅行には確かに課題もありますが、その多くは事前の準備と心構えで乗り越えられます。最終的には、幼児連れの旅も他の旅行と大きく変わるものではありません。ただ、そこにはより多くの笑顔や親子の触れ合い、喜びがあり、そして子どもの視点を通して、新しい場所を発見する特別な体験が加わるのです。
(翻訳編集 中原明芯)
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