2012年11月8日、北京の人民大会堂で開かれた中国共産党5年大会の開会式に出席するため、天安門広場を歩く軍代表団(Ed Jones/AFP via Getty Images)

習近平による軍の粛清 台湾問題と指揮権を巡る深刻な亀裂が露呈

中国共産党(中共)政権は1月24日、中央軍事委員会(CMC)の張又侠副主席と統合参謀部部長の劉振立が調査を受けていることを発表した。この動きに続き、中共軍の機関紙は異例とも言えるほど激しいトーンの社説を掲載した。

社説の言葉の厳しさと、特に張又侠が持っていた高い政治的地位を鑑み、分析家や軍内部関係者は、この事案を単なる腐敗摘発とは見ていない。むしろ、内部の抵抗が強まる中で軍の絶対的統制を確立しようとする習近平の試みが「重大な分岐点」を迎えたことを示していると捉えている。

安全上の理由から匿名を条件に大紀元(エポックタイムズ)の取材に応じた中共軍内部関係者によると、習と張の対立は突発的なものではなく、長年の不満が蓄積した結果だという。その不満の多くは、中国の過酷なゼロコロナ政策の時代に端を発している。

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2026年、中国共産党軍で進行する苛烈な大粛清を分析。習近平が自ら抜擢した将官さえ次々と葬り去る異常事態は、軍の指揮系統を麻痺させている。独裁者が求める「絶対的な安全」が国家最大の危機を招く
中国の全人代常務委員会で軍将領9人が一斉に罷免された。これは習近平が進める軍浄化の加速と「軍改革」の綻びを示唆している。一方で有力者の張又侠らは免れており、軍内部で激しい権力闘争が続く
米ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、習近平が軍に対して行っている大規模な粛清が、中共軍の作戦能力に疑念を抱かせる要因になっていると発表した
中国共産党の重鎮、張又俠と劉振立の罪状が「政治問題」から「官職売買」へ変遷。軍内での権力闘争を汚職事件として処理し、刑事手続きを容易にする当局の狙いを、軍内部の情報筋や専門家の分析に基づき詳報する
軍関係者に近い人物によると、中共当局が張又俠と劉振立を「官職売買」の疑いで処罰する方向で準備を進めている