習近平の軍隊大粛清が作戦能力に影響 米シンクタンク

2026/02/27 更新: 2026/02/27

米ワシントンのシンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」は、中国共産党(中共)の党首である習近平が軍に対して行っている大規模な粛清が、中共軍の作戦能力に疑念を抱かせる要因になっていると発表した。習が軍に対して不信感を抱いていることは、台湾や米国による中共軍の侵攻抑止において、間違いなく朗報であるという。

CSISが2月24日に発表した最新レポートによると、2022年以降、中共軍では36名の「上将(大将に相当)」および「中将」が正式に粛清され、さらに65名の将校が行方不明、あるいは粛清された可能性がある。複数回にわたる粛清が行われた役職を含めると、中共軍の176の上級指導ポストのうち、52%がその影響を受けたことになる。

報告書は、これほど前例のない規模で粛清が行われたことで、中国軍が複雑な作戦を遂行する能力(戦備態勢)を維持できているのか、大きな疑問符がついていると指摘している。

マサチューセッツ工科大学(MIT)セキュリティ研究プログラムのディレクター、M・テイラー・フラベル(M. Taylor Fravel)氏は報告書の中で、「この数字は極めて驚異的かつ異例であり、習近平による行動の深さと、中共軍の指導部におけるかつてない動揺を浮き彫りにしている」と述べている。

今年1月には、中央軍事委員会の張又侠副主席と劉振立統合参謀長が調査を受け失脚したことが、国際的な注目を集めた。

しかし報告書によれば、粛清はより下層の将校にまで及んでいる。これは、習が指揮経験が格段に少なく、実戦経験のない将校を軍事作戦の主導に任命せざるを得ないことを意味しており、結果として中共軍の軍事行動の規模を制限する可能性があるという。

中国の5大戦区司令官の候補者リストも、粛清によって大幅に減少している。報告書によると、56名の戦区副司令官が粛清されたため、5大戦区の司令官に就任可能な将校の候補は33%以上減少した。

CSIS「チャイナ・パワー・プロジェクト」のディレクターで報告書の共著者である林洋(ボニー・リン)氏は、軍の粛清による結果が、すでに軍の戦備状態に反映されている可能性があると指摘している。

報告書の内容によると、2024年において中国は台湾の「問題ある」行動に対し、わずか3〜4日以内に反応し、5月と10月に2度の演習「連合利剣」を実施した。対照的に、2025年の4月と12月には、大規模な軍事演習を開始するまでにそれぞれ19日間と12日間を要している。

ブルッキングス研究所の非招聘シニアフェロー、ジョン・カルバー(John Culver)氏は報告書の中で、「米国や台湾による侵攻抑止の観点から見れば、習近平が自軍に対して不信感を示していることは朗報である」と記した。

また報告書は、昇進したばかりの指導部が前任者の二の舞になることを恐れ、悪い情報を上層部に報告することを躊躇する可能性があると指摘している。

CSISのアナリスト、トーマス・クリステンセン(Thomas Christensen)氏は、「これは危機管理において危険なことだ。なぜなら、習近平が将来の突発的な事態において、自軍の能力に対して非現実的な自信を抱くことにつながりかねないからだ」と分析している。

文彬