紅二代暴露 張又俠は父の汚名返上から軍ナンバー2へ

2026/02/13 更新: 2026/02/13

中国共産党(中共)中央軍事委員会副主席の張又俠が失脚したとの情報を受け、世論の動揺が続いている。ある紅二代(革命幹部の子弟)が、習近平が張又俠を粛清した論理を分析した。彼は以前にも、張又俠の知られざる経歴を暴露していた。

2月10日、米国在住の紅二代作家である畢汝諧は「光傳媒」に寄稿し、習近平が張又俠を排除したのは、毛沢東時代の「党が銃を指揮する」制度を回復させるためだと指摘した。畢汝諧は張又俠と同年齢であり、北京の高級幹部子弟が通う景山学校の同級生である。

張又俠の父・張宗遜と習近平の父・習仲勳は親交があり、共に共産党の高級幹部であった。張又俠は一時期、習近平の側近と見なされ、習近平の「憲法改正による続投」を支えてきた。

しかし、両者の関係については別の説もある。張又俠が軍事委副主席に留任したのは、共産党の元老たちが習近平を第21回党大会で引退させるための布石だったという説や、習近平が張又俠を引退させようとした結果、張が「反旗」を翻し、すでに習の軍権を形骸化させていたという情報もある。これらはいずれも、張又俠が失脚した理由として解釈されている。

畢汝諧は記事の中で、習近平が突如として張又俠の逮捕という「宮廷クーデター」を断行したのは、かつて毛沢東が彭徳懐を粛清し、林彪を死に追いやったのと同様、共産党の「党が銃を指揮する」という政治信条と、党首の「最高権威」を守るためだけに他ならないと分析している。

畢汝諧は、張又俠がいわゆる「叩き上げの職業軍人」であり、中越戦争での実戦経験を持つ点に注目した。彼は父・張宗遜と同じく、軍の装備部門や後方支援部門に極めて太いパイプを持っている。その一方で、党への忠誠を管理する「政治工作系統」の経歴が一切ない。実力と人脈を兼ね備えた純粋な軍人が軍のナンバー2に君臨していることは、党による軍の絶対支配を揺るがしかねず、共産党の体制にとっては「極めて大きな火種(リスク)」であったと指摘している。

畢汝諧が明かす張又俠の入隊理由

張又俠が若くして軍の末端に入り、ベトナム戦争に積極的に身を投じた理由について、畢汝諧は2021年に『北京之春』に掲載した文章で明らかにしている。

その中で彼は、張又俠は幼馴染であり、子供の頃から屈強な男だったと回想している。筋肉質で腕相撲は負け知らず、バスケットボールを好み、「意気軒昂」な人物であったという。しかし、文革後に張家に異変が起きた。

毛沢東の死後、当時総後勤部部長だった張宗遜は、江青に対し「言葉巧みに地位向上を願う勧進状」を自ら提出した。「四人組」の失脚後、張宗遜は「四人組に身を売った老幹部の典型」と評され、悪名を馳せた。当局は張宗遜を1年間調査したが、最終的な結論は「職務怠慢」にとどまり、張宗遜はひっそりと表舞台を去った。

当時、自尊心の極めて強かった張又俠は大きな衝撃を受け、決然として北京を離れた。そして末端の部隊で泥にまみれて鍛錬を積み、多大な苦労を重ねたのである。

畢汝諧は、出国前に『北京晩報』で「張又俠連隊長が部隊を率いてベトナム軍を奇襲した」という報道を目にした際、親族に対し「張又俠は名誉の戦死を遂げるか、高級将官になるかのどちらかだ。第三の道はない」と語ったという。

畢汝諧:習近平による張又俠排除は「党が銃を指揮する」の継続

畢汝諧は今年の「光傳媒」の記事において、毛沢東が1929年の古田会議で「党が銃を指揮する」制度を確立し、権力掌握後は功績のある軍幹部を次々と粛清し、凡庸な陳錫聯に軍事委の全権を握らせたのは、自身の権威と地位を保証するためであったと分析した。

習近平も毛沢東に倣い、2014年に「新古田会議」を開いていわゆる「軍主席責任制」を強調した。今、叩き上げの実力派軍人である張又俠が軍権を握っていることは、習近平にとって巨大な脅威と映った。習近平が張又俠を排除したことで、軍事委員会に残ったのは習近平と紀律検査担当の張昇民の二人だけとなり、あたかも「皇帝と太監」のような状態になった。これにより、軍事委員会は軍主席の命令に直結する小さなグループへと変貌した。

記事では、彼が2024年にボイス・オブ・アメリカ(VOA)のインタビューで語った言葉も引用されている。

「『紅二代』や高級幹部の子弟たちは皆、習近平に対して不満を持っている。正直に言って、習仲勳クラスの家庭出身の人間は、習近平の出自や個人の素質を大して評価していない。ただ、彼が政治的な『天字第一号』の宝くじを当てただけだと思っている。習近平の性格からして、彼はこうした『紅二代』をすべて叩き落とすつもりだろう。なぜなら、庶民の子弟こそが従順であり、彼を恐れ、顔色を伺うからだ。習近平は、かつての北京の『大院(幹部宿舎)』の空気を維持したがっている。当時、大院の子弟の周囲には、おべっかを使う『胡同串子(路地の庶民の子)』が常にいた。習近平はその優越感を享受したいのだ。現在の共産党中央政治局常務委員会の状況は、当時の大院子弟の焼き直しだ。一人の大院子弟である習近平を核心とし、周囲はイエスマンばかりで固められている」

畢汝諧は、今回習近平が張又俠を排除したことは、自身の予測がまたしても的中したことを示していると述べている。

陳鎮錦