張又俠の罪状変更か? 政治問題から「官職売買」へ

2026/02/26 更新: 2026/02/26

張又俠をめぐる事態が波紋を広げ続けている。中国軍に近い情報筋が最近、当局が「官職売買」の容疑で張又俠と劉振立を立件する準備を進めていると明かした。

かつて当局が言及した「軍事委員会主席責任制を著しく踏みにじり破壊した」という容疑と比較すると、今回の手法は政治問題を刑事事件にすり替えて処理するものだ。手続き上、進めやすくなるメリットがある。つまり、実質的な権力闘争が「反腐敗問題」として再包装された形だ。

張又俠と劉振立の調査が公表されてから、すでに丸一ヶ月が経過した。張が正式に逮捕されたかどうかについて、現時点で確認できる権威ある公開情報はないが、巷や海外メディアでは複数の説が飛び交っている。

情報筋によれば、当局は「政治的な罪」で裁くのではなく、あくまで「刑事事件」として処理する方針へ舵を切っている。具体的には、両名が過去10年以上にわたり、個人の権力と影響力を利用して官職を売り、多額の利益を得ていたと指摘されている。これは複数の軍種に及び、金額も巨額に上る。一方で、この「官職売買」を共産党内でもっとも忌み嫌われる「派閥形成(拉帮結派)」に結びつけ、組織的・権力ネットワーク的な問題へと格上げしている。

また、当局は「軍事委員会主席責任制を著しく損なった」という点を対外的な核心的罪状とするのではなく、主に「官職売買」の角度から断罪する方針だという。こうした段階的な処理は、政治的清算と司法手続きを意図的に切り離す狙いがある。

対照的なのは、2026年1月下旬の『解放軍報』の社論だ。そこでは張又俠と劉振立を名指しし、「軍事委員会主席責任制を著しく踏みにじり破壊した」と批判、「政治的な源流から正すべきだ」と強調していた。中国共産党の文脈において、「主席責任制の破壊」は一般的な規律違反よりも遥かに深刻であり、極めて高い政治的次元の罪状とされる。

現在、もし「官職売買・収賄」を主軸に据えるならば、それは本来の政治問題を反腐敗の枠組みへと転換したことを意味する。

専門家の分析

独立学者・黄斌氏:

「官職売買」は体制内では決して珍しいことではない。軍内で官職を買い、さらに売ることで下部組織を広げ、利権チェーンを形成することは公然の秘密だ。問題が以前から存在していたにもかかわらず、なぜ今このタイミングで集中的に処理されるのか。それは明らかに権力闘争である。当局が汚職の視点から張を処理しようとしているとの話も耳にしている。高官の腐敗とは主に官職売買であり、他に売るものなどない。

広東省の弁護士(張氏):

中国の刑法からはすでに「反革命罪」などの政治的罪名が削除されている。現在、政治家を裁く際は、収賄罪などの非政治的な罪名が使われることが多い。この罪名は証拠基準が明確で操作の余地が大きく、立件が比較的容易だ。かつての薄熙来の裁判でも、2千万元余りの収賄罪が適用された。

厦門の軍事学者・柳全氏:

全人代(全国人民代表大会)の開催が迫っている。張又俠と劉振立の事件が関わる人脈ネットワークはあまりに広範囲であり、短期間で全てを解明するのは現実的ではない。いわゆる「遡及調査」は、一筋縄ではいかない。多くの人間が何段階もの引き立てを経て昇進しているため、一人を調べれば全体に波及するからだ。最終的にネットワーク全体の調査はうやむやになる可能性があるが、重要人物については簡単に見逃されることはないだろう。

劉明湘