中国で進む「裸官」対応の強化とその背景
「裸官(家族や資産を海外に移して、政府に勤務する官僚)」と呼ばれる高官を対象とした粛清が、水面下で静かに進行している。その影響は、中共の政治構造そのものを揺るがしかねない深刻なものだ。米シンクタンク、ジャムズタウン財団は、北京による「裸官」粛清がすでに第3段階に入ったと指摘している。対象となる官僚には、「家族を即時帰国させる」か「辞職して職を退く」かという、二者択一が突き付けられているという。
2025年下半期に入って以降、北京の政界では異例ともいえる人事の動きが相次いでいる。副部長級以上の高官、全国政治協商会議(政協)常務委員、さらには重点大学の学長らが、相次いで「職を離れた」。
これらの人物はいずれも定年に達しておらず、公開された汚職調査の対象にもなっていない。しかし、共通点が一つある。配偶者や子供が長期間にわたり海外で生活している、いわゆる「裸官」であることだ。
関連記事
中国共産党は6月1日、技術・データ・人材の国境をまたぐ流動を伴う対外投資への審査を強化する新規則を公表。専門家は、新規則は人・技術・資金の流出を封じることを目的としていると指摘する
中国で企業の過去帳簿や領収書、資金の流れに対する税務調査が強まっている。土地収入の減少に直面する地方政府が、税務調査や罰金、非税収入で財政不足を補おうとしているとの見方が出ている
中共は日本の防衛・軍備強化計画を批判し、アジア太平洋各国に対し日本の「新たな軍国主義的行動」への共同で対抗するよう呼びかけたが、小泉防衛相のみならず、海外の専門家からも日本の軍備強化加速はあくまで対応的なものだという声が多く上がっている
中共中央軍事委員会は、高級将官の教育・管理・監督を強化する26項目の措置を通達した。専門家は、習近平による軍への政治統制強化と、軍内粛清の拡大を指摘している
昨年、中国からの資金流出が推定で1兆400億ドルと過去最高。中共当局は越境証券取引の取り締まりを強化し、米国株など海外市場への投資ルートを締め付けている