中南海の正門である新華門(Noel Celis / AFP)

中国で進む「裸官」対応の強化とその背景

「裸官(家族や資産を海外に移して、政府に勤務する官僚)」と呼ばれる高官を対象とした粛清が、水面下で静かに進行している。その影響は、中共の政治構造そのものを揺るがしかねない深刻なものだ。米シンクタンク、ジャムズタウン財団は、北京による「裸官」粛清がすでに第3段階に入ったと指摘している。対象となる官僚には、「家族を即時帰国させる」か「辞職して職を退く」かという、二者択一が突き付けられているという。

2025年下半期に入って以降、北京の政界では異例ともいえる人事の動きが相次いでいる。副部長級以上の高官、全国政治協商会議(政協)常務委員、さらには重点大学の学長らが、相次いで「職を離れた」。

これらの人物はいずれも定年に達しておらず、公開された汚職調査の対象にもなっていない。しかし、共通点が一つある。配偶者や子供が長期間にわたり海外で生活している、いわゆる「裸官」であることだ。

▶ 続きを読む
関連記事
中共中央軍事委員会副主席の張又侠と、同委統合参謀部参謀長の劉振立が今月28日、解任された。1月の「重大な規律違反」調査発表から半年余り。なぜこれほど時間がかかったのか。習近平の軍統制に何が起きているのか。
米国がイランへの二次制裁を拡大し、金融や海運など幅広い分野への圧力を強化した。イラン産原油の主要な買い手である中国では、銀行や金融システム、貿易への影響を中共内部で分析している
今年上半期、中国で新エネルギーによって発電された電力のうち、出力抑制で利用されなかった量は約360テラワット時 […]
中国で2026年上半期、100社を超える上場企業が税金や延滞金の追加納付を求められ、総額は77億元に達した。地方財政が逼迫するなか、企業への追徴課税や税務調査が強まっている
中国を製造大国へと導いた元首相・朱鎔基の足跡を辿る論評。WTO加盟や税制改革など現代の繁栄を築いた剛腕の功績と痛みを振り返り、現体制下で進む改革の形骸化を通じて全体主義の危うさを問い直す