2025年4月2日、アメリカのトランプ大統領はホワイトハウスにて相互関税計画を発表した(Brendan Smialowski/AFP)

最高裁が関税を無効判断 トランプ氏「世界に10%関税」

2月20日、米最高裁は6対3の判断で、トランプ政権が緊急権限法に基づき世界各国の輸入品に課している関税について、憲法に違反すると結論づけた。トランプ氏は判決に「深く失望している」と述べ、一部の判事にはアメリカにとって正しい判断を下す勇気がなかったと語った。

トランプ氏は、「実際のところ、彼らにそうした意図はなかったと思う。しかし最高裁の判断は、大統領が貿易を監督し関税を課す権限を弱めるどころか、むしろそれをより明確で強いものにした」

トランプ大統領はその後、別の法律を通じて150日以内に世界の輸入品に10%の関税を課すと表明した。

同時に、商務省が進めている通商拡大法232条の調査を活用するなど、新たな関税措置を検討していると述べた。「われわれは直ちに10%の関税措置を実施する。これはわれわれに権限がある。最終的には、これまで以上に多くの関税収入を得ることになる」と明らかにした。

トランプ氏は、この措置は中国共産党(中共)やその他の国からの挑戦に対処するためのものだと強調した。「関税がなければ、この国は今ごろ大きな問題に直面していただろう。われわれを提訴したのは誰か。中共寄りの人々や中共とビジネス関係のある人たちだ。彼らは我々に付け込み、これまでずっと甘い汁を吸い続けてきた。関税がそれを止めた。そして、これは中国だけの話ではない、他の国々も同様だ」と説明した。

また、関税政策をめぐり最高裁で法的な弁護を行わなければならないことは遺憾だと述べた。

関税問題のほか、トランプ氏は最近、外交と安全保障政策についても発言している。ホワイトハウスで全米の州知事と会談した際、イランとの核交渉を進展させるため限定的な軍事行動を検討しているかと問われ、「関連する選択肢を検討している」と答えた。

トランプ氏は3月31日から4月2日まで中国を訪問し、中共党首の習近平と会談する予定である。トランプ氏の訪中は2017年以来。

関連記事
米商務省はインド、インドネシア、ラオスからの太陽光発電部材に対し高率な反ダンピング・相殺関税を最終決定した。中国企業の迂回輸出を阻止し国内製造業を保護する狙いだが、過剰在庫を巡る貿易摩擦は激化している
中国の輸出急増と貿易黒字拡大を受け、米欧など世界的な反発が強まっている。関税逃れのためのサプライチェーン迂回や見せかけの脱中国化が進む中、過剰生産を世界に押し出す中国の経済モデルへの圧力が本格化している
米国は強制労働対策を理由に、中国など約60の国・地域に10〜12.5%の追加関税を発動。EUや日本も一部対象となり、公平な貿易環境の確保と人権対応を狙う
米最高裁は輸入業者の上告を退け、トランプ政権の対中関税を維持。通商法の解釈を巡る争いは控訴審判断が確定し、数千億ドル規模の関税が引き続き有効となった
米連邦控訴裁は、全世界対象の10%一律関税の徴収継続を容認。下級審の差し止めは一時停止され、通商政策への影響回避を重視した判断となった。最終判断は今後の審理へ