高市早苗首相は25日、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長と会談(Yuichi YAMAZAKI / POOL / AFP via Getty Images)

エネルギー不足緩和へ 日本 IEAに石油備蓄の追加放出を要請

高市早苗首相は3月25日、国際エネルギー機関(IEA)のビロル事務局長と会談し、各国、とりわけアジア諸国のエネルギー安全保障を確保するため、石油備蓄の追加放出に向けた協調を求めた。中国、インド、フィリピンなどでは燃料供給が逼迫しており、各地のガソリンスタンドで長い列ができている。

高市氏は、「今後、事態が長期化する場合に備え、追加的な協調放出についてもご準備いただけるよう、IEAとも緊密に連携していきたいと考えている」と述べた。

高市氏はビロル事務局長との会談で、国民の命と産業活動を守るため、断固とした措置を講じる考えを示すとともに、今後もIEAと緊密に連携していく意向を表明した。

これに対し、ビロル氏は追加放出の可能性に前向きな姿勢を示した。

ビロル氏は、「必要であれば、われわれはいつでも行動を取る用意がある。ただ、そのような事態が起きないことを心から願っている」と述べた。

そのうえで、これまでに放出した4億バレルの備蓄原油は、非常に大規模なものだったと説明した。

フィリピンのマルコス大統領は25日、国民に対し、今後45日間は石油供給に問題はないと表明し、「45日後も、石油は引き続きフィリピンに届くと確信している」との見方を示した。

マルコス氏は前日、全国にエネルギー非常事態を宣言した。政府がより迅速に石油を調達できるようにするための措置だと強調している。フィリピン当局は現在、中東での戦闘の影響を受けにくい新たな調達先の確保を急いでいる。

一方、インドでは燃料不足への懸念が一段と強まっている。一部地域では、ガソリンスタンドに長蛇の列ができた。

インド西部マハラシュトラ州の住民は、「ガソリン供給は足りていると言われているが、人々はパニックになっている。だからここに給油に来た。息子の嫁が妊娠していて、ガソリンを蓄えておく必要があるので、朝から並んでいる」と語った。

アジアでエネルギー消費量の多い中国とインドは、輸入原油のおよそ半分を中東に依存している。

中国では、石油製品価格が23日深夜から大幅に引き上げられたことを受け、多くの地域でマイカー所有者が一斉に給油に押し寄せる現象が発生した。ガソリンスタンドでは渋滞や行列が起き、駆け込み給油の動きが広がっている。

関連記事
防衛省は7月29日、令和8年熊本地震への対応状況を発表。自衛隊は発災直後から航空機延べ24機を投入し、上空からの情報収集を実施。被害状況の把握や人命救助、生活支援に向け、約4600人態勢で活動を続けている
鈴木農林水産相は閣議後の記者会見で、米穀の需給と価格の安定に関する基本指針の策定に向けて食料部会を開き、政府備蓄米の買い戻しについて検討を進める方針を明らかにした。
自民党政務調査会のインテリジェンス戦略本部は28日、政府の情報活動強化に関する提言をまとめた。安全保障を目的に行政機関がメールや電話などの通信情報を収集する、いわゆる「行政傍受」の導入検討が柱の一つとなっている。
政府は28日午前、首相官邸で犯罪対策閣僚会議を開き、危険性の高いストーカー加害者にGPS機器を装着し、被害者への接近を通知する新たな保護措置の検討を盛り込んだ緊急対策を決定した
沖縄県名護市辺野古で女子高校生などが死亡した転覆事故をめぐり、海上保安庁が業務上過失致死傷などの疑いで女子生徒の通っていた高校を家宅捜索していた。また、死亡した女子生徒の遺族が、同志社国際高校の校長ら4人と運航団体の共同代表ら7人に対する告訴状を中城海上保安部に提出