経済産業省(撮影:大紀元)

地政学リスクに備える経産省「製造基盤強化レポート」中間取りまとめの要点

2026年4月、経済産業省は「地政学リスクを踏まえた製造基盤強化等に関する検討会」の中間取りまとめとして『製造基盤強化レポート』を発表した。本レポートは、大国間競争の時代への回帰や「経済の武器化」が進む中、日本の国力の源泉である「製造基盤」の再構築に向けた戦略を示したものである。以下にその要点を解説する。

近年、特定国に対する重要物資の過度な依存リスクが高まっている。中国による重要鉱物(ガリウム、黒鉛、アンチモンなど)の輸出管理強化や、鉄鋼・化学製品の過剰生産によるデフレ輸出、さらにはレガシー半導体の生産能力の中国への偏りなど、物資を巡る脆弱性が次々と顕在化している。

世界的に見ても、1990年代以降、中国が製造能力を急拡大させた一方で、G7諸国の製造能力は相対的に低下した。この状況に危機感を抱いた米国は、関税措置の適用や国防生産法(DPA:Defense Production Act)の権限拡大による国内生産の強化に乗り出している。EUも、域内製造業の活性化を目指す「産業加速化法(IAA:Industrial Accelerator Act)」を提案するなど、各国が国家主導で産業・技術基盤の強化を急いでいる。

▶ 続きを読む
関連記事
外国為替市場で円安が進むたび、「高市政権は円安を止められない」との見方がメディア上で広がっている。高市早苗政権の発足以来、積極財政と円安が同時に進んでいることも、こうした論調を後押ししているが、しかし
財務省が7月22日に発表した6月分の貿易統計速報によると、輸出額から輸入額を差し引いた貿易収支は4069億円の赤字となり、2か月連続の赤字となった。輸入額は11兆3359億円で、比較可能な1979年1月以降の570か月で過去最高を更新した
米国のAI半導体大手エヌビディアは7月16日、日本政府や国内産業界の支援を受け、Noetra株式会社と連携し、世界初となる国家規模のAIインフラ「AIファクトリー」を立ち上げると発表した
金融庁と東京証券取引所は、企業の持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目的とするコーポレートガバナンス・コードの改訂を最終決定した。2015年の導入以来、日本の企業統治改革を支えてきた同コードを再編し、形式的な対応にとどまらない実質的なガバナンスの強化を企業に求める
米特許訴訟で約370億円の支払いを命じる陪審評決を受け、キオクシア株がストップ安に急落した。同社は評決を容認できないとして、控訴を含む法的措置を講じる方針である