2026年1月に入って以来、各地で農民工による未払い賃金の支払い請求や権利擁護を求める事件が相次いで勃発している。写真はイメージ(Kevin Frayer/Getty Images)

「SNS転送で懲役7年半」「数億円の不正蓄財には5年」 中国司法の歪んだ天秤

中国の権利擁護活動家である周禄宝氏は、新浪微博(ウェイボー)で出稼ぎ労働者(農民工)の未払い賃金請求に関する投稿を約25件転送したとして、「尋衅滋事罪(じんきんじじざい:騒動挑発罪)」で起訴された。先日、蘭州市の裁判所で開廷し、検察側が懲役7年6カ月を求刑したことで、各界から不満の声が上がっている。

代理人弁護士がチャットグループで公開した公判情報によると、被告の周氏は蘭州市の住民であり、ウェイボー上で約25件の内容を投稿・転送した。その一部に農民工の賃金請求に関する話題が含まれていたという。裁判は先日、蘭州市城関区法院で審理された。起訴状は、周氏の行為が「騒動挑発罪」を構成すると主張し、懲役7年6カ月および罰金5万元(約100万円)の量刑を提案した。

公判中、弁護士は裁判所に対し、月収約3,500元(約7万円)のうち3,200元を実家に仕送りしている農民工にとって、5万元の罰金は極めて重い負担であると訴えた。また、周氏がこの仕事を維持するために長年帰省していないことにも触れ、「皆さんはご存知か。彼はこのわずか300元の手元金から、どれほど多くの人を助けてきたか。一年中工事現場の門番をする仕事を失わないために、彼は6年も帰省せず年を越しているのだ」と述べた。

▶ 続きを読む
関連記事
中国・湖南省の警察が上海のIT企業経営者を拘束し、釈放の見返りに1億元(約23億5000万円)を要求したと報じられた。地方財政の悪化を背景に、管轄外企業を狙う「遠洋捕撈」への懸念が広がっている
中国北部で新型コロナ変異株「PJ.2.1」による重症者が急増しているとの証言が出ている。中国のウイルス学者は、内部データで突然死も増えていると明かし、当局による情報統制の実態を語った
中国各地の学校で、保護者や祖父母が棒を持って校門前に立つ「登下校見守り当番」が広がっている。安全対策の一環とされる一方、共働き家庭への負担や高齢者の安全を懸念する声がネットで相次いでいる
中国本土の複数大学で、新入生と保護者に身分証番号、勤務先、収入などの提出を求める事例が判明した。学生情報を共有表で公開したケースもあり、過剰収集と個人情報漏えいへの懸念が強まっている
中国では新型コロナの感染が繰り返される一方、高リスクな生物研究やAIと生物学の融合も進んでいる。微生物学者の林暁旭氏が指摘する、中国で重なり合う生物学的リスクとは何か