英誌「ネイチャー」は今月30日、中国の大学研究チームによる論文2本を正式に撤回し、別の1本について訂正声明を発表したことを明らかにした。その他の不正疑惑が指摘された論文については、引き続き調査が進められている。
撤回されたのは、中国・上海にある同済大学の王平氏の研究チームが2025年に「ネイチャー」本誌に発表した論文と、天津市にある南開大学の陳佺氏の研究チームが「ネイチャー・キャンサー」に掲載した論文。一方、上海にある華東師範大学の李大力氏の研究チームによる論文については、訂正声明が出された。
今回の対応の背景には、中国における学術不正を追及することで有名なブロガー「耿同学」による告発がある。今年4月以降、同氏は動画投稿を通じて、複数の中国有力大学の研究者による論文に学術不正の疑いがあるとして実名で告発を続けてきた。
告発対象には世界的な学術誌「ネイチャー」に掲載された複数の論文も含まれており、今回撤回された2本もその一つだった。問題は中国国内で大きな注目を集め、複数の名門大学で学部長や学院長が更迭される事態に発展した。
更迭されたのは、同済大学生命科学・技術学院院長の王平氏(5月6日)、中山大学生命科学学院副院長の鄺棟明氏(5月30日)、南開大学生命科学学院院長の陳佺氏(5月30日)、上海大学転化医学学院院長の蘇佳燦氏(6月12日)ら。
「ネイチャー」は、今回処理が完了した3本の論文以外にも、中国の大学研究者による複数の主要学術誌掲載論文について、研究倫理に関する調査を継続していると説明した。現時点で、その他の論文について具体的な処分や結論は出ていないという。
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