長年、規制当局は2つの「永遠の化学物質」に特に注目してきました。しかし、新たな研究では、それらの代替物質も同様に懸念される可能性があることがわかりました。
『Frontiers in Aging』に掲載されたこの研究は、特定の環境化学物質が、分子レベルでの体の老化速度に影響を与える可能性があることを示唆しています。特に中年期は、影響を受けやすい重要な時期であると考えられます。
これまであまり研究されてこなかった2種類のPFAS(パーフルオロアルキル物質およびポリフルオロアルキル物質)――長年政策議論の中心となっていた従来の規制対象PFASではなく――が、エピジェネティック老化の加速と関連していることがわかりました。
研究でわかったこと
この研究では、1999年から2000年の曝露データを用いて、326人のアメリカ成人のデータを分析しました。
研究者たちは50歳以上の人の血液中に含まれる複数のPFAS濃度を分析し、12のDNAベースの老化指標を使って生物学的年齢を推定しました。年齢、性別、喫煙歴、炎症マーカーも考慮されています。
2つの化合物が、エピジェネティック老化と有意な関連を示しました。パーフルオロノナン酸(PFNA)は、死亡率に関連する複数の老化時計や、老化速度が速いことを示す指標と関連していました。パーフルオロヘキサンスルホン酸(PFHxS)は、寿命予測時計の1つと関連していました。一方、従来のPFAS化合物(より広く研究されているPFOA〈パーフルオロオクタン酸〉とPFOS〈パーフルオロオクタンスルホン酸〉を含む)は、有意な関連を示しませんでした。
上海交通大学医学院の疫学教授で、本研究の責任著者であるXiangwei Li氏は、従来のPFASが安全だという解釈に注意を促しました。「これは従来のPFASが安全であるという証拠ではなく、規制と監視の枠組みは、これまで最も研究されてきた化合物だけにとどまらず、より広く見るべきだということを意味すると解釈しています」と同氏は述べました。
今回の結果は因果関係を証明するものではありませんが、一部のPFAS化合物が生物学的老化に影響を与える可能性があるという証拠を、さらに補強するものです。
中年男性が最も脆弱である理由
PFAS濃度を考慮する前から、生物学的老化マーカーは年齢や性別によってすでに違いが見られていました。
男性は、死亡率関連や老化速度に関する複数の指標で生物学的老化が速く、50〜64歳の成人は65歳以上よりも老化の加速が大きかったのです。PFAS曝露を考慮に入れると、最も強い関連はやはり50〜64歳の男性で見られました。
「同じ曝露レベルでも、生物学的反応は必ずしも同じではありません」とLi教授はエポックタイムズに語り、PFASの生物学的影響は年齢や性別などの要因によって異なる可能性があると付け加えました。
中年期は、心代謝や炎症のプロセスが変化し始める移行期であることが多いと、同氏は言います。慢性の軽度炎症は一般に加齢とともに増加しますが、研究では分子レベルの老化が段階的に起こり、40代半ばと60歳近くで特に大きな生物学的転換が起きる可能性が示唆されています。中年期にはテストステロン値が低下し始め、炎症の増加や内臓脂肪の蓄積と関連しています。
「男性では、加齢に伴うホルモンや体組成の変化が、有害物質の処理のされ方や、老化関連経路が環境ストレスにどう反応するかに影響を与える可能性があります」とLi教授は述べました。
本研究には関与していない環境ワーキンググループ(EWG)の上級科学者タシャ・ストイバー氏は、この研究は従来のPFASを超えた研究の必要性を強調しており、化学物質の混合や生活習慣要因が老化にどのように相互作用するかを調べる重要性を示していると述べました。
より広い視点――PFASと健康
PFASは環境中に広く存在し、世界中の人や動物から検出されており、推定97%のアメリカ人の血液中からも見つかっています。
研究では、PFAS曝露が肝臓の脂肪代謝に影響を及ぼし、コレステロール値の上昇と関連していることが示されています。妊娠中の高い曝露は、低出生体重、早産、妊娠高血圧症候群と関連しています。がんとの関連が最も明確とされているのは、腎臓がんおよび精巣がんです。
PFASは同じ生物学的システム、特に免疫系と肝臓に影響を及ぼしやすいため、複数の曝露が重なると害が拡大する可能性があります。
「環境ストレスはPFASと一緒に作用して有害な影響を増大させる可能性があります」とストイバー氏はエポックタイムズに語り、大気汚染や食事などが増幅要因になり得ると指摘しました。
『Reversal: Science, Medicine, and a Future Beyond Aging』の著者であるマイケル・フォッセル医師は、エポックタイムズに対し、環境曝露は細胞を損傷または死滅させ、細胞分裂の増加とテロメア短縮を引き起こすと述べました。テロメア短縮とは、染色体の末端にある保護キャップが細胞分裂のたびに短くなるプロセスで、細胞老化のマーカーとして広く認識されています。これらがエピジェネティックな老化変化を引き起こします。
時間の経過とともに、これらの変化はDNA修復能力や健康な細胞の維持を損ない、加齢関連疾患の一因になると考えられます。
個人でできること
PFASは広く存在し、残留性も高いものの、可能な限り曝露を減らすことは依然として有効です。現在のところ、人間において生物学的老化を遅らせたり逆転させたりする治療法は証明されていません。そのため、曝露低減が最も現実的な選択肢です。
まずは飲料水から対策を始めるのが有効です。活性炭フィルターや逆浸透膜フィルターでPFASを低減できます。EWGは郵便番号で検索可能なフィルターガイドを提供しています。また、地元の飲料水に関する注意情報を確認することも重要です。
その他の曝露低減策としては、自宅で新鮮なホールフードを使って料理し、テイクアウトや包装食品を控えることが挙げられます。これらの食品には、しばしば油をはじく包装が使われています。「汚れ防止」「しわ防止」と表示された製品を避け、PFASを含まない衣類や家庭用品を選ぶことも有効です。
一部の人は、より高い曝露リスクに直面しています。
「職業性曝露のある人は血液中のPFAS濃度が最も高くなりやすいです。これは製造施設や関連産業、消防士などに該当します」とストイバー氏は述べました。また、製造施設の近くに住む人も濃度が高い傾向があると付け加えました。EWGは、全米の疑わしいPFAS排出場所を追跡する公開マップを作成しています。
生活習慣も影響します。ある研究では、緑地の多い地域に住む人は、緑地の少ない地域に住む人に比べて、平均で約2.5歳、生物学的に若いことを示すエピジェネティックマーカーを持っていました。また、緑の多い近隣環境、定期的な身体活動、植物性食品中心の食事は、テロメアの長さと関連しているという研究もあります。
Li教授は、多くの曝露は水道インフラ、環境汚染、工業由来の発生源など、システムレベルで起こっていると指摘し、意味のあるリスク低減には個人の努力だけでは不十分で、政策と規制による監督も必要だと付け加えました。
(翻訳編集 日比野真吾)
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