2023年5月4日、シンガポールで開催されたIMDEX Asia艦艇展示会で、中国海軍のミサイルフリゲート艦「玉林」(右)と掃海艇「犀彧」(中央)がチャンギ海軍基地に停泊している様子(Roslan Rahman/AFP via Getty Images)

羊の皮を被った中国の民間船 「実際は軍民両用のミサイル艦や揚陸艦」

中国共産党(中共)と中共軍は、「軍民融合(MCF:Military-Civil Fusion)」を極めて重要な国家戦略とみなしている。これは、中国の広大な民間海運艦隊と造船分野の圧倒的優位性を活用し、特に台湾有事のような大規模作戦を想定して、軍の海上輸送能力を増強することを目的としている。

MCFは中国の民間海運を戦略予備力として扱い、中共軍が数千隻の民間船舶を様々な任務に動員することを可能にする。これにより、軍事と民間の境界線を曖昧にし、専用の軍艦だけに頼ることなくパワープロジェクション(武力投射)能力を強化しているのだ。

以下、中国の軍民両用(デュアルユース)艦隊について、「開発の経緯」「具体的な能力」「軍との協力体制」という3つの観点から解説する。

▶ 続きを読む
関連記事
中国は少子化と高齢化が急速に進行し、労働力や経済成長に深刻な影響が広がっている。長年の政策と経済構造が出生率低下を招き、政府の対策も効果を上げていない。
ドイツは中国の通貨政策や国家補助金、安全保障行動を問題視し、G7など民主主義国による協調対応を提唱。経済と安保の両面で対中姿勢を転換している
ロシアは大規模攻撃を続けるが、死傷者の増大や国内不満で先行きは不透明。ウクライナは欧州支援と技術優位で持ち直し、戦局は一方的劣勢ではなくなりつつある
2026年上半期、中共軍の台湾海峡・西太平洋での活動は大幅減。背景には指揮系統の混乱、装備・維持管理の課題、日米の抑止強化があり、対外行動は全体に抑制的となっている
欧州経済の低迷を機に、ケインズ主義の「節約のパラドックス」を痛烈に批判する論評。過剰消費と政府債務が招いたゾンビ国家化を指摘し、真の経済成長には安易な金融緩和ではなく、地道な「貯蓄と投資」こそが必要だと説く