令和8年版防衛白書の表紙のスクリーンショット(防衛省)

防衛白書 中共を「最大の戦略的な挑戦」と明記 

政府は4日、最新版の「防衛白書」を発表し、中国共産党政権を日本が直面する「これまでにない最大の戦略的な挑戦」と改めて位置付けた。日本側は、中共が軍事力の拡大を続け、軍事活動を通じて地域の現状変更を試みていると警戒を示した。今年の白書では、人工知能(AI)、無人機、情報戦など新たな戦闘手段を初めて防衛上の重点分野に盛り込み、中共の脅威や野心に対応する姿勢を示している。

政府は4日、閣議で「2026年版防衛白書」を了承し、公表した。白書では、中共を日本が直面する「最大の戦略的な挑戦」と再び明記し、長年にわたる中共の急速な軍備拡大、軍事的圧力、地域の安全保障秩序を揺るがす行動に対する政府の強い警戒感を浮き彫りにした。

白書は、中共が近年、国防費を大幅に増加させ、核戦力やミサイル、海空戦力、さらに遠方海域での作戦能力を急速に強化していると指摘している。

昨年、中共海軍の空母「遼寧」と「山東」が初めて同時に太平洋で訓練を実施し、3隻目の空母「福建」も就役した。これは、中共の拡張的な軍事戦略を示すもので、第1列島線を越えて軍事的な影響力を広げようとしているとみられている。

台湾海峡の情勢について、白書は、中共が近年、台湾周辺で大規模な軍事演習を継続的に実施し、グレーゾーン戦略や軍事的圧力を通じて台湾海峡の現状変更を試みていると指摘した。こうした動きは、地域の平和と安定に対する脅威になっているとしている。

一方で、白書は中ロの軍事協力の強化についても警鐘を鳴らしている。両国は近年、爆撃機による共同飛行や海上での共同航行を頻繁に実施しており、その活動範囲は西太平洋へと拡大している。日本は、こうした動きが周辺地域の安全保障上の圧力をさらに高めるとみている。

時事評論家の藍述氏は「今回の新たな防衛白書の発表は、インド太平洋地域における米国の同盟国とともに、自国の軍事力を迅速に強化し、力によって平和を守ろうとするものである」と述べた。

また、今年の白書では初めて「新しい戦い方」に関する特集を設け、AIや無人機、情報戦、認知戦などを今後の防衛上の重要分野として位置付けた。

時事評論家の鄭浩昌氏は、「日本が新たな戦闘様式を考慮に入れたことは非常に重要である。ロシアによるウクライナ侵攻を見ても、現在の戦争形態は過去とは大きく変化している。無人機やAIが戦争に与える影響は大幅に高まっている。中共は『超限戦』を巧みに利用する国であり、情報戦や偽情報をめぐる攻防にも長けている。台湾への浸透工作でもその能力は十分に示されており、日本の指導層はその状況を注視し、対応策を講じる必要がある。これは防衛力の基礎を強化する取り組みである」と指摘した。

白書はまた、豪州やインド、さらにNATOのインド太平洋地域のパートナー国との防衛協力についても言及した。共同訓練、装備の共有、防衛産業分野での協力を通じ、中共の軍事拡張に対する抑止力を高める方針を示している。

時事評論家の李林一氏は、「日本はすでに、中共政権を自国にとって最大の脅威として、この防衛白書にはっきりと記載している。今後、日本の防衛力強化、さらにはその強化のスピードは、中共側に大きな圧力を与えることになるだろう」と語った。

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