【大紀元日本1月2日】80歳近い老夫婦がいた。二人は共に病気を患っていたが、始終互いに敬いあって暮らしている。近所の若者たちは、二人がいつも腕を組んで、互いに支え助け合いながら出かけるのを目にして、羨ましくてならなかった。
そこである日、若者たちは、老夫婦の家に愛の秘訣を教えてもらいに行った。すると、老人は静かに、「私たちは何十年も一緒に暮らしてきて、互いに尊敬し助け合うことが一番大切だとわかった。愛などということは考えたこともない。もし考えるとしたら、互いの恩情ということだ」と言った。
古人はよく、「恩愛」という言葉を口にしたが、今の人はそれを愛情を表す表現と見ている。ただ、実はそうではない。「恩」という字は「愛」という字の前にあり、恩に含まれている意味は愛を大きく超えているはずである。人は前世でいろいろな因縁関係で縁を結び、その結果恩情が生まれる。結婚を、愛情だけに頼って潤わせ維持させようとするなら、それは非常に心もとないことである。恩情を重んじて、夫婦が互いに敬い合ってこそ、円満で幸福な家庭を築くことができるのである。
ところが、現代人は愛だけを重んじがちである。愛に溢れている時は、「海が涸れ、石が砕けようとも心は変わらない」と永遠の愛を誓い合うのだが、愛が冷めると、すぐまた次の相手を探す。このような短い愛情は、利己的なだけで、全く理性的ではない。
「恩は愛より長い」などと言うと、結婚は決してロマンチックではなくなるかもしれないが、実は、時の流れにつれて、二人の愛は次第に薄れていくが、恩は次第に増えていくものである。互いに思いやりと感謝の気持ちで、手をつないで寄り添う人生こそ最も貴重なのである。
(明心ネットより)
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