【ことばの豆知識】「日本鬼子」ってどんな鬼?

中国語には、中国を侵略した外国勢力をののしることばに『子』というのがあり、それが日本軍であれば『日本鬼子』となります。この場合の『鬼』は日本語で言うところの「おに」ではなく、「日本の畜生ども」といった意味です。

 中国語の『鬼』は本来、死者の「霊魂」を指しました。それが、マイナスのイメージを伴い、かつ漠然とした実体を持つことによって、「幽霊」となり、さらには「妖怪」に変化していきます。

 そしてこのマイナスのイメージが今現に生きている人に適用されたとき、その人を蔑称する表現となります。『酒鬼』(飲んべえ)、『胆小鬼』(臆病者)といった具合です。『鬼子』もこの用法の一つと考えられます。

 さらには、『心裏有鬼』と言えば、「心中やましいところがある」という意味になり、『鬼天気』と言えば、「いまいましい天気」といった意味になりますが、これらの用法もすべて『鬼』のマイナスイメージからの延長線上に位置づけることができます。

 一方、日本語の「おに」は、「隠れて人の目に見えない」という意味の「隠」(おん)が変化し、それに「鬼」の字が当てられたものだと言われます。本来、中国語と同じく死者の霊魂を指し(例:護国の鬼となる)、それが次第にマイナスのイメージを伴って、「もののけ」を指すようになりました。

 ただ、日本語では、それが仏教でいうところの餓鬼や地獄の兵卒である青鬼・赤鬼等と混同されて、次第に鬼の形相が形成され、ついには、頭に牛の角を持ち、裸に虎の皮のふんどしを締めた、節分で追い払われる鬼に定着しました。

 「鬼ばばあ」や「仕事の鬼」といった表現に見られる「鬼」も、怖い形相をした実体を持つ鬼をイメージして生まれた表現だと考えられます。

 

(智)
関連記事
60年前、墜落したUFOの機体の一部と宇宙人の死体を、米陸軍が回収したとされる「ロズウェル事件」で、当時広報官だったホート中尉(Lieutenant Walter Haut)が昨年亡くなる前に書いたとされる供述書が発表され、波紋を呼んでいる。
科学者は、ある実験をするために5匹のサルをケージに入れ、ケージの真ん中の上方に一房のバナナをぶら下げました。ケージには、サルがバナナを取るたびに水が吹き出し、サルたちがびしょ濡れになる自動装置を取り付けました。
虚言、欺瞞、盗み、自殺、殺人―。われわれ人類は歴史上、他人を傷つけ、自分を駄目にしてしまう行為を繰り返してきた。米科学誌「ライブサイエンス」ウェブ版では、高い知恵を持つヒトが
「近朱者赤 近墨者黑」。これは孟子の言葉で、出典の『孟子』は戦国時代の中国の儒学者である孟子(もうし、紀元前372年~紀元前289年)の言行をまとめた本です。「朱に交われば赤く
輪廻転生があるとしたら、魂はどのタイミングで赤ちゃんの身体に入るのでしょうか?世の中には、生まれる直前の記憶を持つ人たちがいます。彼らによれば、赤ちゃんは、自ら自分の母親と身体を選んで生まれてくるそうです。皆さんは信じますか?
ネイル商品を展開するJUMII TOKYOが行った調査によると、ぱっと見ステキだと思って近づいた女性に対し、「幻滅したことがある」という回答が、82.4%にのぼることがわかった。
「戦わずして相手を屈服させる」ー中国古代の兵法書大作・孫子に記された戦の理だ。核・ミサイル開発を止めず、国営メディアでは物々しい言葉で日本や米国を威嚇する北朝鮮に対し、トランプ大統領は強硬さと温和を持ち合わせた対応を取っている。大統領の元首席戦略官スティーブン・バノン氏の愛読書とされる孫子は、大統領も参考にしているかもしれない。