【大紀元日本4月15日】日本全国の山野に自生するトクサ科の多年草。土筆(ツクシ)は早春に芽を出すスギナの胞子茎で、茎は柔らかな円柱状の退化した葉(はかま)が節についています。緑色の胞子を散らしたあとはすぐ枯れます。その後に細かく枝分かれした、栄養茎のスギナが芽を出し、見る見るうちに勢いよくはびこり、手がつけられなくなり、雑草として嫌われています。
5~7月に全草を採取して乾燥させたものが生薬の問荊(もんけい)です。ヨーロッパで古くから使用され、日本には江戸時代に伝わり、民間療法の薬草として定着しています。
【薬用効果】腎炎、浮腫、肺結核、咳痰、膀胱炎などに問荊の乾燥物を一日量5~10gを煎服します。民間では、婦人病、淋病にも使用されてきました。漆かぶれには生の全草をすりつぶして患部に塗布します。生のスギナか問荊の適量を煮出して風呂に入れると、湿疹、かゆみなどの皮膚病によいとされます。
ミネラルが多く含まれ、自然治癒力増強を期待して乾燥粉末を丸ごと飲む人もいますが、ケイ酸やアルカロイドを含むので多飲は注意が必要です。
【食用】ツクシのはかまを取り除いてから茹でて水にさらした後調理します。卵とじにしますが、汁の実、胡麻あえ、佃煮などにも利用します。少し苦味がのこり、大人の春の味です。
【染色用】夏に群生を刈り取り、水から煮出して染液とします。汚れや油分を洗剤などで洗い落とした毛糸を、90度位の染液に約1時間浸けてそのまま冷やします。アルミ、錫媒染で金茶色になります。
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