18本の川を乗り越え、感動の結婚式=中国

【大紀元日本8月3日】中国各地で見舞われた豪雨による洪水が伝えられる中、あるひとつの心温まる出来事が人々に感動を与えている。結婚式の当日、大雨に降られた新郎・新婦が氾濫する18本の川を乗り越え、無事に結婚式場へたどり着いたという。2人は村人たちに祝福されながら、結婚式を挙げた。中国誌『大河報』が伝えた。

25歳の新郎・張虎(チョウ・フウ)さんと22歳の新婦・王艶麗(ワン・ヤンリ)さんは、河南省泌陽県に住む。新郎が10数キロ離れた新婦の家へ行くには、途中18本の川を渡らなければならない。しかし、数日間降り続いた大雨により川は水かさが増え、氾濫していた。

結婚式当日の22日、大雨の中で新郎一行がかろうじて新婦の家にたどり着いたのは午前8時。心配した新婦の両親が結婚式を延期するよう勧めたが、新婦の王さんの主張で予定通り式を挙げることになった。

新郎新婦の一行は新婦の家を出て、再び結婚式が行われる新郎の村へ向かった。降り続く大雨で川が溢れ、水かさが橋の高さを大きく上回っている。9番目の川を渡るとき、新婦を乗せた「花嫁かご」は、かろうじて橋を渡ったが、かごを担いでいた人たちは川に押し流されそうになった。10番目から17番目の川を渡るとき、新婦は「花嫁かご」から降り、身に着けたウェディングドレスが水に濡れることも気にせず、新郎と手を繋ぎ歩いて橋を渡った。

そして、とうとう最後の18番目の川にたどり着いた2人が見たのは、激流が橋の上を1、2メートル高く渦巻く川だった。2人はどうすべきか考えていたが、突然新婦はウェディングドレスを脱ぎ捨てて川に飛び込み、向かいの岸に向かって泳ぎ始めた。それを見てすぐに新郎もその後を追って川に飛び込んだ。新郎は、「水が渦巻く激流の中、互いに励まし合いながら向こう岸までたどり着いた」と当時の心情を語った。

ぐっしょりと濡れた二人が村の結婚式場に姿を現したのは正午近く。その光景に感動した村人たちは、強い愛の絆を持った新郎新婦に、心からお祝いの拍手を贈った。

「彼女は洪水で荒れ狂う『18本の川』を渡る試練を乗り超え、僕と結婚してくれました。そんな彼女を、僕は一生側にいて見守ってあげたい」と新郎の張虎さんは語った。

(翻訳編集・柳小明)