中国の結婚式といえば、大宴会で白酒を酌み交わす光景を思い浮かべる人が多い。だが、その常識をあっさり裏切る結婚式が登場し、中国のSNSがざわついた。
主役は、中国の人気ミルクティーブランド「CHAGEE(霸王茶姬)」の創業者、張俊傑(ちょう・しゅんけつ)氏。12月15日、江蘇省常州市で行われた結婚式では、披露宴の乾杯がすべてミルクティーだった。
テーブルに並んだのは、赤と金を基調にしたミルクティー。会場には自社ブランドの専用ブースまで設けられ、参列者は一人一杯を手にして乾杯する。酒は一切なし。この光景を収めた動画が広まると、「二日酔いしない結婚式」「これは新しい」と一気に話題になった。
(結婚式の様子)
新婦は、中国の太陽光パネル大手「天合光能」創業家の一員で、この結婚は中国メディアから「強者同士の結婚」とも呼ばれた。ただ、ネット上の関心は経済規模よりも、ミルクティー一色の演出に集まった。
SNSでは「結婚式でも宣伝を忘れない」「一番コスパのいい広告」「全員に配られるなら行きたい」といった声が相次ぎ、全体としては面白がる空気が強い。否定的な反応はほとんど見られなかった。
張氏は雲南省昆明市出身の32歳。10代の頃にミルクティー店で働いた経験をきっかけに、2017年に「霸王茶姬」を創業した。現在は世界7千店以上を展開し、2025年にはナスダック上場も果たしている。張氏は今年10月、保有資産135 億元(約3千億円)で中国の富豪ランキング「胡潤百富榜」に名を連ねた。
ミルクティーで乾杯する結婚式。派手さより話題性を取りに行くこの感覚は、中国の新世代富裕層の価値観を象徴する一場面として受け止められている。

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