【大紀元日本11月2日】最近、中国と北朝鮮の国境地帯にある白頭山(はくとうさん、中国名・長白山)にある天池(チョンジ、頂上にあるカルデラ湖)の地下2~5キロメートル地点で、火山と地震の活動が活発化していると27日、韓国地質学会の秋季学術発表会で報告された。
韓国紙・朝鮮日報の報道によると、釜山大学の尹成孝(ユン・ソンヒョ)教授らは、白頭山にある天池カルデラ周辺の岩の隙間に沿って火山ガスが噴出し、周辺の一部の樹木が枯れたことを発見した。2002年8月から1年間、GPSで白頭山天池の周辺の地形を観測した結果、天池の北側が毎年約40〜50ミリメートル移動していたという。また、天池周辺温泉の水温は最大83度まで上がっており、ヘリウム水素などのガス成分が増加するなど、火山噴火の兆しがみられると述べた。
尹教授は、「天池の地下で頻繁に発生している火山地震により、地下の岩盤に隙間が生じ、その隙間から、天池の20億トンの水が流れ、地下のマグマとぶつかった場合、水蒸気と火山灰を噴出する超大型火山の噴火につながる可能性が十分にある」と語った。
白頭山は4~5年以内に噴火するとの説について、尹教授は、「そのような観察もあったが、直接調査を行わない限りは、正確な爆発の時期を予想することはできない。現地での精密な調査と観測が必要だ」と述べた。
白頭山の噴火によって、北朝鮮が受ける被害は想像を絶するものと予想される。 偏西風の影響で、北朝鮮の咸鏡道(はむぎょんど)周辺の鉄道、道路、電気、水道などの社会基盤が破壊されるほか、白頭山の半径約100キロメートル内に広範囲な地滑りや山火事が続く可能性があるとみられる。
白頭山の爆発は、韓国に対しても多大な被害を与えるだろうと韓国政府も懸念する。韓国企画財政部は、先月29日に発表した2010年「マクロ経済安定報告書」で、白頭山が冬に爆発し、火山灰が北風や北西風に乗って飛んできた場合、航空業界に致命的な打撃を与えると分析した。 また、火山灰が日光を遮ることによる気温低下などで農作物が不作となり、経済的な打撃を与えると報告した。
白頭山一帯では、1999年から3千回あまりの地震が発生しており、最近では地震発生の頻度が高くなっている。尹教授は、白頭山爆発の可能性について、南北の共同研究が早急に行われるべきであると述べた。
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