当局の妨害に屈せず、「貴方自身が美しい舞台を体験してほしい」 神韻団長会見

【大紀元日本3月3日】世界ツアーを展開中で現在、オーストラリアで公演中の海外華人アーティスト団「神韻芸術団」が、中国総領事館から公演の妨害行為を受けていることが明らかになった。これについて団長の李維娜(リ・ウェイナ)氏は、「オーストラリアの人々が鑑賞の機を逸することになれば、まさに悲劇」と先月21日、会見で述べた。そして、自身の目で神韻の美しさを体験してほしい、とメディアを通じて広く人々に伝えた。

李団長は、神韻世界ツアー開催中、中国当局から駐在領事館を通じて芸術劇場や招聘機関に対する妨害行為を受け続けていることを明らかにした。米国や欧州、オーストラリアでは、中国領事館高官が各地の神韻開催予定劇場の運営者に「公演を受け入れるな」などの恫喝に近い電話を入れていたという。

「中国当局はあらゆる手段を使って、人々が公演に足を運ぶのを阻止しようとしている」と、李団長は指摘し、また「オーストラリアの人々がなぜ他人に指図されて行動しなければならないのか。中国当局の指図に従って神韻鑑賞の機を逸することになれば、まさに悲劇」と続けた。

李維娜氏は、中国広東歌舞劇院でプリンシパル・アーティストに選ばれた一流バレリーナ。のちにオーストラリアへ渡り、舞台・舞踊芸術の名門「シドニー・ダンス・カンパニー」で講師を務めた。2006年、「失われた中国伝統文化の復興(ルネッサンス)」を掲げる神韻芸術団に入団し、現在は団長を務める。

中国当局による妨害の背景について、李団長は「神韻が示す中国伝統文化の普遍性こそ、中共が最も恐れているものだから」と説いた。団長によると、人々が中国伝統の理念をもって文化復興を希望することを中共は望まず、またこれは党の理念と相反するものだという。そのため「神韻の理念を中共は信じない」と指摘した。

神韻芸術団のニューヨーク公演は満席になった。1月15日、ニューヨークのリンカーンセンターのデイヴィッド・H.コッチ劇場にて (Dai Bing/大紀元)

神韻芸術団は今年、米ニューヨークの権威ある劇場「リンカーン・センター」に招待された。世界最高レベルの舞踊団やバレエ団が出演する同センターで公演するには、センターからの招待がなければならない。「今年は10回の公演を行い、さらに来年度の公演招待も決まった。神韻は壮麗な中国伝統の舞台の域を超え、まさに普遍的な芸術の舞台となった」と李団長は語る。

また、この神韻世界公演を展開していく中で、中国で失われつつある伝統文化を探求し見出すことは、李団長自身にとって悟りの過程だったと語った。「最も恐ろしいことは、人が生活環境の中で後天的な概念に満たされ、行動を操作されていることに気付かないこと。これに気づけば、人は思考を改め、自由に行動を決断するようになる。私自身は、中国伝統文化に人生の中の答え、視点を見出した」と述べた。

真の中国文化の発見を通して、これまで体験したことのない奥深い理解を得ることができたと、一演舞者、一プリンシパルとして、李団長は語る。「悠久の歴史を含む多彩な中国の伝説には、人の一生の中にある非日常的な奇跡の要素が多分に含まれていることを深く理解させ、啓発させることができる」と語った。また日々の学習と体験を重ね、演劇の表現力が成熟していくにつれて、中国伝統文化の普遍性が眼前に現れるようになったという。

最後に団長は、一連の中国当局による妨害行為を「最終的には『指図者』が誰であるかを、社会全体で認識できるかどうかにかかっている」とした上で、「最高に美しい舞台を是非、見に来てほしい。貴方のその目で確認してほしい」と会見を締めくくった。

(記者・シャー・アダムズ/翻訳編集・阿部)