【党文化の解体】第6章(17)

【大紀元日本3月12日】

5.党話の特徴

党話には、多くの捉えやすい特徴がある。例えば、よく言われるのは「うそが多い、大げさ、内容が薄い」、粗野で野蛮で、殺気に満ちている(1986年中国出版の『現代漢語頻度辞書』によると、現代中国語の語彙で動詞としての「死」の使用頻度は第237位、「殺」は第940位)。そのほか、中国共産党は戦争を起して政権を奪い取った背景があるため中国人に半軍事化の管理を行い、軍事色を帯びる党話が非常に多い。これから党話の4つの特徴をめぐって分析したいと思う。

1)中国共産党は言葉の定義権を独占した

政治は社会活動の一つに過ぎず、国民の信仰、道徳、習俗などと一緒に国民に制約の効力を発揮する。普通、一つの政権は社会生活のすべてを解決しようと図らないもので、更に「人類はどこから来たか、どこまで行くか、人生の目的は何か」のような哲学の問題を解釈しようと図らない。一方、中国共産党は一つ「政教一体」の邪教であるため、必然的に正の宗教、伝統道徳と習俗が持っている、社会を制約し調節する機能に取って代わって、自分勝手に天地、人間の行為、生活と思想を定義しようとする。中国共産党が作り出した党話システムは幻想的な世界を作って真実な世界の上に被せ、政治体制と社会構造を定めて、人々の思想と行為を制約している。

表面から見ると、党話は長い間いろいろな変化をしているが、その本質は絶対に変わらない。変わると党話システム自身が崩壊してしまうからだ。この本質とは、党話システムは中国共産党の邪悪な独裁統治に助力するために存在して、党話の「変遷」は共産党の利益を妨げない範囲内に抑えられるものだ。そのために、共産党は党話システムの解釈権を掌握しなくてはならない。

中国の『現代中国語辞典』(商務印書館、1981)に収録した言葉に対する解釈に、共産党の政治教育、洗脳宣伝が溢れている。共産党は本来の辞典を「現代党文化の政治辞書」に変身させたのだ。下記の言葉は正常社会にも使うが、中国共産党によってまったく違う解釈を与えられている。

「党――政党、我が国では特に中国共産党を指す」。

「党」は楷書の書き方で上は「尚」と書いて下は「黒」と書いて、孔子は「君子は群して党せず」と説いたことがある。「党を結ぶ」ときっと「私利を図る」、「事の道理に関係なく、仲間と結党して対立する他者を攻撃する」、「党」とは元々一つ良くない言葉だった。いわゆる「大衆のために党を結成する」とは元々矛盾する言い方である。中国共産党は「党」を自ら専有の名詞として用い、党はどこにも存在して、中国共産党は「党」の言葉に良い意味を与えていた。

古い書き方では、「党」の上半分は「尚」と書いて下半分は「黒」と書く。孔子は『論語』に「君子は矜にして争わず、群して党せず」と説いた(イラスト・大紀元)

「解放――束縛を解除して、自由と発展を手に入れる、特に反動政権の統治を引っくり返すことを指す」

「革命――圧迫される階級は暴力で政権を奪い取って、古い社会制度を引っくり返して、新しい社会制度を創立する。革命は古い生産関係を破壊して新しい生産関係を創立する」

「民主――国民は政治において自由に意見を発表し、国家の政権管理に参与する権利を有することを指す。民主には階級の分別があり、例えば、資本主義制度の下では資産階級に民主が存在するが、無産階級には民主が存在しない。我が国の国民は真に広い範囲の民主を有する」

中国共産党は言葉に対する解釈権を独占しただけでなく、法律の解釈権、真理の解釈権も独占して、それで真理に対する統制権も独占している。言語上の覇権を握れば、中国共産党はいつでも自分を真理の代弁者に偽装することができるのだ。

(続く)