山西省・陽泉市の山奥にたたずむ大汖村。チベットのポタラ宮に酷似するこの村は、千年も前から存在している。現地政府の調査によると、村の背後には「鎮山大王廟」があり、中には7つの石像が祭られている。そのうちの最も大きな石像の背部には風化された文字が刻まれており、金承安5年(1200年)と明記されているという。
「ポタラ宮」に似た建築スタイル
2005年に発見された大汖村の面積は2万2千平方メートル余り。山と一体になっているかのように、山の斜面に沿ってユニークな形に家が建てられている。村には庭付き住宅40軒余りが建ち、それらは大小さまざまな形をした石と黄色い泥で造られている。村に足を踏み入れると、まるで迷宮に入ったような錯覚を覚えるのだ。
大汖村の建築は、基本的には2階建てである。南方の高床式建築に似ており、上下は連接しているように見えるが、それぞれが独立している。上下の形が揃っていなくても、実は一つの家なのである。
夜になっても戸締まりをしない家
村民たちは、「日が昇ったら働き、日が沈めば休む」という生活を送っている。彼らの気風は純朴で、来客に対してはとても親切で情熱的である。夜になっても戸締まりをせず、秩序よく、今なお原始的な風俗を保っている。
17人の住民のうち、最も年配の人は80代で、最年少は50代。最初は360人いた村民も、今では17人に減り、若者は皆村を離れていた。残った老人たちは数ムー(1ムー=約700㎡)の土地を耕して生計を立てている。果物や野菜などを収穫し、落ち着いた生活を送っている。
村民たちはほとんど病気に罹らない。村の中に医者や薬屋はなく、商店さえもない。夕方、村の出入り口に座って会話をすることが唯一の娯楽である。
昔ながらの生活を続けるこの村の時間は、ゆっくりと流れる。きれいな水と土で育った食物、千年来の住宅、汚れのない天然水…村の水はとてもおいしく、20~30年間使った茶壺の底も錆びないという。
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