東京で天安門事件追悼集会 「37年たっても中共は変わらない」 元学生リーダーらが登壇

2026/06/04 更新: 2026/06/04

中国・北京で民主化を求める学生や市民らが武力鎮圧された六四天安門事件から37年を迎えるのを前に、3日に東京都内で記念講演会が開かれた。講演会終了後には、キャンドルナイトで黙祷を捧げた。天安門事件追悼実行委員会が主催した。

天安門事件の元学生リーダーであるウアルカイシ氏をはじめ、牧野聖修元衆議院議員、香港やチベット、ウイグルの人権活動関係者、国際人権団体の専門家らが登壇し、中国の人権状況や民主化運動の現状について語った。

中国・北京で民主化を求める学生や市民らが武力鎮圧された六四天安門事件から37年を迎えるのを前に、3日に東京都内で記念講演会が開かれた。(大紀元)
 

1989年の天安門事件で学生指導者の一人として知られるウイグル人のウアルカイシ氏は、中国の民主化への支持と天安門事件の記憶継承の重要性を訴えた。

ウアルカイシ氏は冒頭、「私は日本に何度も来ているが、長年関心を持ち続けてくださっている皆さまに感謝します」と述べた上で、「37年も経って記念することに意味があるのかと問われることがあるが、記憶すること自体が不可欠な反抗だ」と強調した。

また、「中国共産党が望むのは私たちが忘れることだ。ならば忘れないことが最大の反抗になる」と語り、「彼らが最も恐れているのは私たちが恐れないこと、最も望んでいるのは私たちが絶望することだ。今日ここに集まった人々は、恐れず希望を持ち続けることを選んだ」と参加者に呼びかけた。

講演では、自身が過去に東京の中国大使館前で自首を試みた際の出来事にも言及した。中共当局に指名手配されていた自身が自首することで問題提起を図ったものの、中共側は自首を受理せず、その後大使館の敷地内へ入ろうとして日本の警察に建造物侵入容疑で逮捕された経緯を振り返った。

さらに、「アジア最強の民主国家である日本には、民主国家らしく行動してほしい」と訴え、中共に対する当時の各国の融和政策について「誤りだった」と指摘。「37年が経過しても中共は変わっていない。国民に戦車を向ける政権のままだ」と批判した。

その上で、「たとえ経済的な代償を伴ったとしても、今行動しなければ次の世代がさらに大きな代償を払うことになる」と警鐘を鳴らした。

牧野聖修元経産副大臣は、1989年の天安門事件当時について「世界の知識人や経済界の多くが中国共産党への配慮から批判を控える中、若い学生たちが自由と民主化を求めて立ち上がった」と指摘。その行動は「歴史に刻まれる大きな光だった」と評価した。

さらに「自由、民主、博愛という価値は何よりも大切であり、その理念を共有しながら運動を続けていきたい」と語った。

また、民主化運動の流れは香港へと受け継がれたとの認識を示し、「香港の人々も圧政の中で自由を求めて立ち上がった」と述べた。その後の弾圧により多くの若者が日本へ渡ったことに触れ、「現在は天安門世代と香港の新しい世代が連携して活動を進めている」と説明した。

牧野氏は、香港の若者から聞いた言葉として「新しい劇場をつくりたい」という表現を紹介し、「人々が解放される未来の実現に向けて、ともに努力していきたい」と訴えた。

中国・北京で民主化を求める学生や市民らが武力鎮圧された六四天安門事件から37年を迎えるのを前に、3日に東京都内で記念講演会が開かれた。(大紀元)
 

人権団体「ヒューマン・ライツ・ウォッチ」の笠井氏は、1989年の天安門事件から37年が経過した現在も、中共が同事件の記憶を社会から消し去ろうとしていると指摘。昨年には、事件犠牲者の遺族らで構成される団体「天安門の母」に対する妨害行為があったと述べた。また、過去に武力行使命令への服従を拒否して収監された軍幹部に関する映像が流出するなど、中国社会の変化を促す可能性を示す動きも見られるとの認識を示した。

さらに、中共による人権侵害や監視活動は国内にとどまらず、日本を含む海外で活動する民主化運動家やその家族にも及んでいると指摘した。笠井氏は、こうした「国境を越えた弾圧」から人々を保護するため、日本政府に必要な対策を講じるよう働きかけていると説明した。

その上で、「本日のような集会を通じて、より多くの人々が天安門事件の実態を知り、国際社会の行動につながることを期待している」と述べ、参加者に継続的な関心を呼びかけた。

元中国人権派弁護士の伍雷氏は、「リスクを承知の上で集会に参加した人々に感謝したい」と述べ、参加者への謝意を示した。

伍雷氏は、天安門事件から37年が経過した現在も、中国国内では事件の真相解明や民主化を求める人々の活動が続いていると指摘した。

天安門事件当時の学生運動について「国家運営の透明性を求め、恐怖を乗り越えて行動したことが高く評価されている」と述べた。学生たちが掲げた法の支配、報道の自由、腐敗防止といった要求は、現代社会においても普遍的な価値を持つものだとの認識を示した。

伍雷氏は、「自らの歴史と向き合うことのできない国家や社会が国際社会で重要な役割を果たすことは難しい」と指摘。その上で、「天安門事件で示された自由と民主主義を求める精神は今後も受け継がれていく」と訴えた。

講演会の最後に、「東京自由民主人権之声」副編集長の董鵬氏が声明文を読み上げた。董氏は、「天安門事件を追悼することは単なる過去の問題ではなく、現在に続く人権や自由の問題と向き合うことでもある」と述べた。その上で、近年は香港で大規模な追悼集会の開催が困難になっていることに触れ、「どの場所であっても追悼の場とし、記憶を継承していく必要がある」と訴えた。

また、日本政府がこれまで天安門事件について遺憾の意を表明するとともに、中国における人権状況の改善を求めてきたと評価した。

さらに、1999年の法輪功への迫害、2008年のチベット問題、2009年の新疆ウイグル自治区での騒乱とその後の人権問題、2022年の「白紙革命」、そして香港国家安全条例の施行などに言及し、中国における人権や自由をめぐる課題は現在も続いているとの認識を示した。

最後に董氏は、「天安門事件の記憶を風化させることなく、今後も民主主義と人権のための活動を続けていく」と述べ、継続的な関心と支援を呼びかけた。

中国・北京で民主化を求める学生や市民らが武力鎮圧された六四天安門事件から37年を迎えるのを前に、3日に東京都内で記念講演会が開かれた。(大紀元)
 
エポックタイムズ記者。日本の外交をはじめ、国内外の時事問題を中心に執筆しています。
関連特集: 中国