<赤龍解体記>(92)胡錦濤の完全引退 江沢民牽制の一石三鳥

習氏は総書記に就任後初めての中央政治局会議を主催(Feng Li/Getty Images)

【大紀元日本11月19日】中国共産党第18回全国代表大会で、胡錦濤国家主席は党の総書記と党の軍事委員会主席を退任を発表した。来年3月の全国人民代表大会(国会)で国家主席と国家軍事委員会主席からも身を引き、完全に引退することになる。

胡主席の引退は、10年前の16回大会で総書記辞任後もなお軍事委員会主席の職を2年延長した江沢民氏にとってダメージとなった。香港紙・太陽報は17日、「胡主席の完全引退は長老政治に多大な圧力をかける」と評価。その効果は3つの側面があるという。

1つ目、胡氏の完全引退は国内外から絶賛され、同時に江氏の権力欲と院政政治への批判を高めること。名声を常に気にする江氏にとっては、この結果は不本意であるに違いない。

2つ目、胡氏の完全引退は、胡・習連盟がより強固になったこと。それにより江氏の政局に対する影響力が削減された。

3つ目、今回の新常務委員は江勢力が大半を占めているため、今後、政局に不祥事が起きたとき、江氏は責任を負わなければならないが、胡氏は責任追及から逃れる身軽さがある。

効果はさっそく現れた。15日に行われた新しい指導部による大会代表との会見で、習氏は、胡氏の完全引退を「率先して党中央の指導者から引退したことは、崇高なる人徳と高尚な人柄の現れ」と絶賛し、「崇高なる敬意を表す」と述べた。

この会見には、李鵬氏、朱鎔基氏、李瑞環氏、宋平氏などの長老も出席していたが、江氏だけが欠席したという。

さらに、16日に行われた党の軍事委員会拡大会議において、胡氏と習氏がそれぞれ談話を発表。胡氏は軍隊に、新任の習軍事委員会主席に忠誠心を持つよう要求し、一方の習氏はふたたび胡氏の自らの完全引退に言及し、褒め称えた。

同16日、習氏は総書記に就任後初めての中央政治局会議を主催。同会議のコミュニケは、江氏の「三つの代表」理論に触れてないが、胡氏の過去10年間の業績と彼の「科学的発展観」理念を大々的に取り上げている。胡支持、江冷遇。これは習氏が着任後に取った姿勢と見られる。

 (翻訳編集・呈工)
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