スペイン検察、前カタルーニャ州首相を起訴 直接統治に混乱なく

[バルセロナ/マドリード 30日 ロイター] – スペインの検察は30日、カタルーニャ自治州の独立運動を主導し、同州首相を解任されたプチデモン氏を国家反逆罪や扇動罪などで起訴した。検察はカタルーニャ州政府幹部について、スぺインからの独立を巡り違法な住民投票を実施したとして、国家反逆、扇動、詐欺、資金流用の罪を主張している。

カタルーニャ州の独立問題は10月1日に住民投票が強行されたことで、過去数十年で最大の危機に発展。カタルーニャ州議会は27日、独立に関する動議を可決し、スペインからの独立を宣言。その後、上院からカタルーニャ州の直接統治権を承認された中央政府のラホイ首相は、同州政府の閣僚を解任し、議会を解散、さらに12月21日に州議会選挙を実施すると発表した。

プチデモン氏は28日、中央政府の直接統治に対する「民主的な抵抗」を呼びかけ、カタルーニャ州が直接統治を受け入れるかどうかが注目されたが、週明け30日に市民は普段通り職場に向かい、目立った抗議活動は起きていない。

プチデモン氏らカタルーニャ州の指導者は自治権停止を認めない考えを示していたが、同氏が所属する独立支持派の2政党は30日、12月の州議会選挙に参加する方針を明らかにし、中央政府による直接統治を事実上受け入れた。

現地メディアによると、プチデモン氏は解任された州政府幹部ら5人とともにベルギーに渡ったもよう。

人権団体に関わっているというベルギーの弁護士、ポール・ベカート氏はロイターに対し、プチデモン氏の代理人となったことを明らかにした。ベルギーに滞在中のプチデモン氏の政治亡命を支援しているかどうかについては明言しなかった。

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