NAFTA再交渉会合、進展ないまま終了する見通し濃厚

[メキシコ市 21日 ロイター] – 米国、カナダ、メキシコの3カ国がメキシコ市で開いている北米自由貿易協定(NAFTA)再交渉の第5回会合は、見解の相違を埋められないまま終了する見通しが濃厚となっている。

21日は今回の会合が始まって7日目。再交渉会合は残りあと2ラウンドのみとなっており、予定通りに2018年3月までに合意が得られるか疑問が出ている。

カナダとメキシコは前月の第4回会合で米国が提示した一連の提案に反対しており、今回の第5回会合でも大きな進展は得られていない。

カナダのフリーランド外相はオタワで記者団に対し「一部の主要分野における大きな見解の相違は解消されていない。これらの提案にはカナダは合意できない」と述べた。

NAFTAが定める自動車部品の域内調達比率に関する「原産地規則」を巡り、米国は自動車に関して域内部品の使用率を現行の62.5%から85%に引き上げ、米国製部品を50%使用することなどを求めているが、メキシコとカナダは反対する姿勢を崩していない。

再交渉協議はエネルギー切れになっているとの悲観的な見方も出るなか、当局者は交渉を勢いづけるために何らかの発表は行いたい考え。しかし今回の会合に米国、カナダ、メキシコ3カ国の閣僚が出席しないと発表された時点で、交渉に進展がみられるとの観測は後退していた。

3カ国は来年3月末まで交渉を継続することで合意。ただ格付け会社フィッチ・レーティングスは21日、3カ国のそれぞれの国内政治事情を踏まえると、合意は困難になる可能性があるとの見方を示している。

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