情報BOX:カタルーニャ自治州、今後の見通し

[マドリード 22日 ロイター] – スペイン北東部カタルーニャ自治州で21日に実施された州議会選挙は即日開票され、独立賛成派が改選前と同様に過半数議席を確保した。

ただ、今後の見通しは不透明だ。

<プチデモン前州首相は帰国できるのか>

プチデモン前州首相に対しては、10月1日にカタルーニャ州独立の是非を問う違法な住民投票を実施したとして、逮捕状が出ている。

現在はブリュッセルに滞在しているが、帰国すれば、直ちに逮捕される見通し。

独立賛成派の獲得議席は70議席となったが、当選した70人中7人は、分離独立運動に関与した疑いで逮捕されているか、亡命している。7人は釈放・帰国まで州議会で投票できず、独立賛成派は事実上、議会で過半数議席を確保できないことになる。

7人は、一方的に独立を宣言しないと宣誓すれば、釈放や逮捕状の取り消しが実現する可能性があるが、この場合、プチデモン氏らの保守系独立派「カタルーニャのための連合(JXC)」が、独立強硬派のCUPから支持を得られない恐れも出てくる。

第2の選択肢としては、7人の議席を放棄して、第2位の候補に議席を譲ることも考えられる。

プチデモン氏の州首相就任を確実視することもできない。独立賛成派のCUPとERCからは、同氏を首相とすることに難色を示す声も一部で出ている。

ただ、プチデモン氏のJXCは、独立賛成派の政党の中で最多の議席を獲得している。

<政権樹立の手続き>

政権樹立に向けた交渉は、休暇明けの来年1月6日以降に始まる可能性が高い。

スペインのラホイ首相は同日前後に、州議会の正式な開会に先立つ予備的な手続きをいつ開始するかを明らかにする見通し。この手続きは1月23日までに開始する必要がある。

その後、州議会は2月8日までに新政権の承認投票を実施する必要がある。プチデモン氏はそれまでに州首相に立候補するかどうか態度を明らかにしなければならない。

州首相候補が、州議会の定数135議席の絶対多数の支持を得られない場合、2度目の投票が行われる。2度目の投票では、議会で投じられた票の過半数を確保すれば、首相に就任できる。

2度目の投票でも首相が決まらない場合は、2カ月間、協議を続行することが可能。2カ月以内に決着がつかない場合は、議会を解散し、再選挙を実施する。

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