中国メディアの財新などが発表した3月中国製造業PMIは4か月ぶりの低水準となった。(GREG BAKER/AFP/Getty Images)

財新中国製造業PMI、4カ月ぶり低水準

中国メディアの財新と英の調査会社IHSマークイットが2日、3月の中国製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月から0.6ポイント低下の51.0で、4カ月ぶりの低水準となったと発表した。主因は輸出低迷だ。一方、中国国家統計が3月末に発表した同月製造業PMIは前月から1.2ポインド上昇の51.5となった。

中国の製造業PMI指数統計に関して、民間の調査会社のまとめと中国当局の発表と2種類ある。3月は、民間機関と中国当局の見解は真逆となった。

英紙・フィナンシャルタイムズ(2日付)によると、英投資会社キャピタル・エコノミクスの担当者は、財新などが中国中小企業を中心にまとめた製造業PMIについて「景気動向の周期的なトレンドをよりよく把握するために、重要な役割を果たしている」とコメントした。また、中国当局のPMI統計は中国の国営重工業企業に偏っていると指摘し、3月の中国の製造業の全体的な経済活動はやや減速したとの見方を示した。

PMIは景気判断に使われる重要な指標だ。PMI数値の、わかれめである50を上回ると景気拡大、下回ると景気後退と判断される。

財新網によると、海外需要の低迷を受けて、新規輸出の拡大ペースは10カ月ぶりの低水準となった。この影響で、PMIの構成指標である生産高と新規受注の拡大ペースも4カ月ぶりに低下した。

また、構成指標の雇用に関しては、中国の民間企業は、コスト削減の一環で、昨年8月以来のペースで従業員の削減を加速化しているという。

中国と米国が貿易問題で対立を深めることによって、中国経済の主要けん引力の輸出産業は大きな影響を受けるとみられる。専門家らは、中国輸出の判断材料の1つである新規受注に、今注目が集まっている。

財新は3月の新規受注は前月比0.2ポイント下落したとした。一方、中国国家統計局は前月比0.7ポイント上昇と示した。

(翻訳編集・張哲)

関連記事
2023年5月25日に掲載した記事を再掲載 若者を中心に検挙者数が急増する「大麻」(マリファナ)。近日、カナダ […]
中国共産党が7月に反スパイ法を改正し、邦人の拘束が相次ぐなか、外務省が発表する渡航危険レベルは「ゼロ」のままだ。外交関係者は邦人の安全をどのように見ているのか。長年中国に携わってきたベテランの元外交官から話を伺った。
日中戦争の勝利は中華民国の歴史的功績であるが、これは連合国の支援を受けた辛勝であった。中華民国は単独で日本に勝利したのではなく、第二次世界大戦における連合国の一員として戦ったのである。このため、ソ連は中国で大きな利益を得、中共を支援して成長させた。これが1949年の中共建国の基礎となった。
香港では「国家安全法」を導入したことで、国際金融センターとしての地位は急速に他の都市に取って代わられつつある。一方、1980年代に「アジアの金融センター」の名声を得た日本は、現在の状況を「アジアの金融センター」の地位を取り戻す好機と捉えている。
米空母、台湾防衛態勢に 1月29日、沖縄周辺海域で日米共同訓練が挙行された。日本からはヘリコプター空母いせが参 […]