米大統領、150億ドルの歳出削減提案 児童医療保険など対象

[ワシントン 7日 ロイター] – トランプ米大統領は8日、現行予算について150億ドルの歳出削減を議会に提案する見通しで、野党民主党が支持する低所得世帯向け児童医療保険プログラム(CHIP)関連支出約70億ドルも削減対象となる。政権幹部が7日、明らかにした。

共和党は数週間前、600億ドル規模の削減を目指す考えを示していたが、現行予算を巡る与野党対立の再燃を警戒する見方が政権や共和保守派の間で強まっていた。

政権幹部らは記者団との電話会見で、トランプ大統領の削減案は未執行の予算項目が対象になっていると説明。2月に議会で可決された今後2年間の歳出上限引き上げを定めた予算法への影響はないという。

1人の高官は、この予算法を対象とする「大規模」な歳出削減を含む「廃止」案も今後準備される予定だと述べた。

民主党のシューマー上院院内総務は声明で「トランプ大統領と共和党は何百万という子供たちのよりどころとなっている医療保険金を消滅させようとしている」として、CHIPを削減対象とする案を批判した。

政権幹部はCHIP自体への悪影響はないと説明。削減対象となる70億ドルのうち、50億ドルの予算手当ては関連法で支出が認められていないからだという。

政権はまた、先端技術車両製造融資プログラム関連予算のうち、43億ドルの削減を提案。高官によると、同プログラムは2011年以降、融資実績がない。

上院のマコネル院内総務などの共和党幹部らは、2月に民主党の協力の下で成立した予算法を台無しにするような歳出削減には同意できないとの立場を示してきた。

歳出削減の規模は当初案から縮小された形となったが、民主党の反感を買う可能性は依然としてあり、2019会計年度(18年10月─19年9月)の予算法案を巡る与野党の駆け引きに影響する可能性がある。

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