イタリア2党、次期首相に大学教授のコンテ氏推薦 大統領が検討へ
[ローマ 21日 ロイター] – イタリアの大衆迎合主義(ポピュリズム)政党「五つ星運動」と極右の「同盟」は21日、マッタレッラ大統領と会談し、フィレンツェ大学法学教授のジュゼッペ・コンテ氏を次期首相に推薦した。
大統領は、政治経験が浅く、ほぼ無名のコンテ氏を直ちに承認することは控え、同氏の指名について関係者の意見を踏まえて判断する考えを示した。
大統領府によると、マッタレッラ氏は22日に上院と下院のトップと協議を行う。関係筋によれば、大統領は熟考する時間を必要としており、同盟と五つ星に対し、政権を率いる上で首相が重要な役割を果たすことを強調したという。
マッタレッラ大統領がコンテ氏を首相に指名した場合、五つ星と同盟は早急に組閣に着手し、週内にも議会で信任投票を行う可能性がある。
コンテ氏は政治経験はないが、五つ星と近い関係にあり、同党が選挙前に閣僚候補として挙げていた人物の1人だ。コンテ氏はその際、イタリアの複雑な官僚制度を簡素化すると表明していた。五つ星と同盟がまとめた政策合意の策定では明確な役割は果たさなかったもようだ。
両党の政策合意は、数十億ユーロの減税や貧困層の福祉への追加支出、年金改革の撤回のほか、移民政策や通貨同盟に関する欧州連合(EU)のルールの見直しなどを盛り込んでおり、金融市場では不安が広がっている。
格付け会社は既に懸念を示しており、フィッチは21日、五つ星と同盟による連立政権はイタリアの財政リスクを高めると警告。DBRSも前週、同様の見解を示している。
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