「ある人物の人格を試したかったら、権力を与えてみることだ」とはリンカーンの言葉。富と名声に溺れず、地に足のついた生活を送れる人が、本当の賢人です。謙虚で「フツーの感覚」を大事にする俳優のチョウ・ユンファさん(63)はそんな一人かもしれません。
「男たちの挽歌」「グリーン・デスティニー」など数々の名作で主役を演じ、香港を代表する大スターとなったチョウさん。彼は頻繁にバスや地下鉄を利用し、気軽に町を移動することで知られています。乗客たちから注目されないの?との質問には、「90パーセントの人が、手元のスマホに夢中になっているよ」とのこと。専属の運転手を雇うことを嫌い、ブランド品にも興味がない。何年も前の服をまとい、値切ったりしながら市場で買い物をすると話しています。
彼らしいエピソードは、2017年に香港を襲った台風の後の出来事。車で通りかかった道が、折れた木々で塞がれているのを見て、とっさに掃除を始めたチョウさん。それを目撃したファンに頼まれ、彼は普段着のまま一緒に写真に納まりました。庶民的で素朴なその姿は、多くの人たちの好感を呼びました。
彼のシンプルな生活スタイルは、彼の母親からの影響。野菜農家の母親は、他人に寛大でありながら、謙虚に慎ましく生活するようにと息子に教えました。
「お金は、自分の所有物だとは思っていません」と話すチョウさん。
「ただ、一時的にそれを預かっているだけです。全部、それを必要としている人たちに寄付します」。彼は自分の死後、全財産をチャリティーに寄付すると宣言しています。
(翻訳編集・郭丹丹)
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