南米5カ国とカナダ、国際刑事裁判所にベネズエラ政府の調査要請

[国連 26日 ロイター] – 南米5カ国とカナダは26日、国際刑事裁判所(ICC)に対し、武力で反政府勢力を弾圧するという非人道的犯罪の疑惑についてベネズエラ政府を調査するよう要請したことを明らかにした。

ICCの加盟国が他の加盟国について調査を要請するのは初めてのことで、ベネズエラのマドゥロ政権への圧力が強まった格好だ。

ペルーのポポリシオ外相によると、同国とアルゼンチン、チリ、コロンビア、パラグアイの各大統領とカナダのトルドー首相は調査を要請する書簡に署名し、26日にオランダのハーグに拠点を置くICCに送付した。ベネズエラ政府の犯罪について、国際的な専門家や組織などが集めた証拠を引き合いに出し、2014年2月12日以降に犯したとされる罪を調査するよう求めている。

ベネズエラの通信情報省はコメントの求めに応じていない。

カナダと南米5カ国の外相は国連総会での共同記者会見で、ベネズエラ政府が拷問、殺人、性的暴行、強制失踪などの罪について責任があると専門家らが指摘していると説明。カナダのフリーランド外相は「マドゥロ政権が自国の人々に対して目に余る人権侵害を犯したという証拠が多数あり、さらに増えている」と強調した。

書簡はICCのファトゥ・ベンソーダ検察官宛てとなっている。同氏は2月にベネズエラの状況について予備調査を始めているが、正式な調査を開始するためのICC判事らの許可はまだ要請していない。

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