インタビュー:米中通商協議、為替が議題に含まれるべき=米財務長官

[ヌサドゥア(インドネシア) 12日 ロイター] – ムニューシン米財務長官は12日、中国人民銀行(中央銀行)の易綱総裁に、今後の米中通商協議では為替問題が議題に含まれなければならないと述べ、最近の人民元の下落に懸念を表明したことを明らかにした。

ロイターのインタビューで語った。

また、両国の通商関係に均衡を取り戻すために、中国は具体的な「行動項目」を明示する必要があるとの認識を示した。

ムニューシン長官と易総裁は、国際通貨基金(IMF)と世界銀行の年次総会の合間に為替問題について幅広く協議を行った。

長官は協議について「わたしは人民元の下落について懸念を表明した。今後のいかなる米中通商協議でも為替が議題とならなければならない」と強調した。

ムニューシン長官によると、同長官と易総裁は、元安ドル高を促している市場のファンダメンタルズについて協議。「易総裁の視点から、この問題について、生産的な説明が得られたと思う」と述べた。

関係筋によると、易総裁は11日、中国の金融政策が米国の金融政策とは反対のサイクルにあるとの認識を示した。

ムニューシン長官は、来週発表予定の財務省為替報告書で中国が為替操作国に認定されないとの一部報道については、コメントを控えた。

ただ、為替報告書は厳密な調査とデータに基づくものであり、「政治的な文書ではない」との認識を示した。

長官は、米中首脳が11月に会談する可能性があるとのウォールストリート・ジャーナル(WSJ)紙の報道についても確認を避けた。ただ、通商協議の再開には、中国が構造改革で行動することを約束する必要があるとの認識を示した。

長官は「(中国から)シグナル以上のものが必要だ」とし「関係に均衡を取り戻す行動項目で合意できなければならない。すでに明らかにしているが、協議したい実際の行動項目があるなら、私たちは耳を傾ける」と述べた。

長官は、関係に均衡を取り戻すことができれば、米中の年間貿易総額は、現在の6500億ドルから1兆ドルに増加する可能性があり、北米自由貿易協定(NAFTA)の貿易額1兆2000億ドルに迫るとの見方を示した。

パキスタンが国際通貨基金(IMF)と支援策を巡る協議を開始したことについては、パキスタンの中国などに対する債務の透明性が必要だとの認識を示した。

米国株が2日連続で急落したことについては「正常な市場の調整だ」と指摘。「市場が効率的だとは考えていない。市場に投資する時は、市場が時に両極端に振れることを覚悟しておく必要がある」と述べた。

*内容を追加し、写真を差し替えました。

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