ニューカレドニアで住民投票、仏からの独立を否決

[パリ 4日 ロイター] – 南太平洋の仏領ニューカレドニアで4日、フランスからの独立を問う住民投票が実施され、即日開票された。地元テレビが暫定結果として伝えたところによると、独立反対が56.9%となり、独立は否決された。投票率は約80%だった。

同国の独立は、中国が存在感が増しつつあるインド・太平洋地域におけるフランスの影響力低下を意味する。

フランスのマクロン大統領はテレビ演説で「ニューカレドニアはフランスにとどまることを選んだ。フランス共和国とその未来、そして、その価値に対する信任投票である」と述べた。

マクロン氏は、独立を求めていた人々の落胆は理解できると述べた上で、フランスは全ての人々のための自由、平等、友愛を確実にすると強調した。

ニューカレドニアでは、独立を求める先住民カナク族と、フランスへの忠誠を守る入植者子孫との間で長年にわたり緊張が続いてきた。

マクロン氏は5月にニューカレドニアを訪れた際に「植民地化の痛み」への理解を示し、カナク族が主導する自治国家に向けた「威厳のある」運動に敬意を表明。マクロン政権は住民投票を巡り中立的な姿勢を示すことに努めてきた。

ニューカレドニアの経済は、フランスからの年間約13億ユーロ(14億8000万ドル)の補助金、ニッケル産業、および観光業に支えられている。

かなりの自治権が認められているが、防衛や教育などに関してはフランスへの依存が大きい。

1853年にフランスの植民地となった。1980年代半ばには、貧富の差や雇用機会の不平等に不満を持ち独立を求めるカナク族と反独立派の間で衝突が発生した。

1998年に協定が結ばれ、独立の是非を問う住民投票を2018年に実施することを規定した。また、この協定では、独立が否決された場合、2022年までにあと2回の住民投票を実施することができる。

独立反対派の得票率が一部の世論調査の数字を大幅に下回ったことから、独立派の働きかけで今後住民投票が再度実施される可能性がある。

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