8歳までの段階的な遊びや学び 発達科学から見て

「できた!」子どもは成功の喜びと失敗の悔しさを経験しながら大きくなっていきます。周りの誰しもがその成長をほほえましく見守っていることでしょう。子どもの発達段階に対する理解を深めるため、子どもの発達科学を研究するゲセルインスティチュートはこのたび、幼児の成長パターンについて大規模な研究を行いました。

提示した年齢は必ずしも明確な区切りとは断定できませんが、発達科学の研究から段階的な成長過程を知り、子どもに合わせた遊びや学びを提供できるでしょう。

1才 安全

1才までの幼児は毎日が大変です。親は赤ちゃんと一緒に過ごすことに 可能な限りの時間を費やさなければいけません。こうした行為こそが幼児期の信頼感と幸福感を養います。

2才 情緒

この時期に情緒を養うことで、子どもの感情の豊かさが育まれます。両親は子どもの好奇心に注意を払い、愉快な気持ちにさせましょう。子どもの頃に身につけた情緒は心の苦痛を和らげ、その後の人生においても受け継がれていきます。

3才 クリエイティビティ

子どもの創造性は3才頃から発達を始めます。正しい環境に置かれさえすれば、好奇心は発達していき、やがて大きなポテンシャルを持つようになります。そのためには、お話を作らせたり、絵を描かせたり、粘土で遊ばせることが効果的であると言われています。また、子どもに植物の世話をさせたり、小動物の散歩をさせたりすることも創造性を豊かにします。

4才 言語と表現

4才の子どもはお喋り好きです。しかし、子どもが間違った言葉遣いをしても、それを指摘したり笑ったりしないよう気を付けてください。間違ったことを言うことを恐れるようになる可能性があるためです。両親は子どもが言ったことを正しく言い直してもよいですが、間違いを強調することは避けましょう。また、 この時期の子どもはよく質問をします。何百回も何千回も「なぜ?」と言うでしょう。これは子どもの学習意欲が高まっているためで、楽しくてやっているのです。大事なことは、子どもが知識を欲しているなら、それを与えてあげることです。

5才 両親との関係

5才になると、子どもは振る舞いをコントロールし、他人に優しくできるようになります。子どもが母を最も好きになるのはこの時期で、さらに母を幸せにしたいという感情が芽生えます。そのため、子どもに対する母の言葉は絶対的なものとなり、母から褒められることが子供にとって重要なことになるのです。また、子どもに対してすぐに反応しなければ怒り出すこともあります。この時期は素早い反応が非常に重要です。

6才 対立

この時期になると子どもと母親の対立が見られるようになります。5才の時、子どもにとって母親は世界の中心でしたが、6才になると世界の中心は自分自身になります。母の愛を必要とする一方で、自立を志向し、母を押しのけることすらあります。これこそがこの時期の難しさです。父親が親子の釣り合いを取ることが重要です。

7才 抽象的思考

7才になると抽象的思考能力が発達し始め、モノとモノの違い、またそれらの類似点に着目できるようになります。例えば、ある容器の形が変わっても、中身の量は変化しない、などといった事です。

8才 思考能力がさらに活発に

8才になった子どもは多くの事を考えるようになります。思考能力と言語力は完全に発達し、簡単な理屈を発想して答えを導き出す能力を身につけます。

子どもにとって、自身の能力向上は当然の事です。最初は、子どもに両親の考えを当てはめてはいけません。発達の段階はそれぞれの子どもごとに異なりますので、それぞれの段階・能力に応じた教育を行うことこそが最も重要です。

(翻訳・今野秀樹)※看中国から転載

おすすめ関連記事:子供を成功に導く北欧の「失敗教育」