10年前の自分の人生を思い返してみてください。
当時の自分と今の自分はほとんど同じでしょうか――長所や短所、好みや目標は大きく変わっていないでしょうか。
私はこの10年間、断続的に日記をつけてきたことで、時間を経て自分がどう変化したか、あるいは変わらなかったかを振り返る独自の視点を持っています。実際のところ、私は多くの面であの頃の自分ととてもよく似ています。性格や人生の優先順位を劇的に変えたわけではありません。
人が「自分の多くの面はほとんど変わらない」と信じるのも無理はありません。生まれながらに決まっているのか、あるいは幼少期の経験で形作られ、その後の人生をそのまま進むのかもしれません。
その考えにある程度の真実はあると思いますが、私は自分が経験した変化、そしてその意味についてお話ししたいと思います。
この10年間、意識して焦点を絞ることで、自制心の面で大きな成長を遂げました。以前より無駄に時間を使わなくなり、早寝するようになり、感情のコントロールもずっと上手になりました。以前はとても難しいと感じていた習慣ばかりです。
変化は難しい
今でこそ「変化は可能だ」と言えますが、それは自分の体験がはっきりした証拠となっているからです。それまでは確信が持てませんでした。
自制心を多少は改善できるかもしれないとは思っていましたが、根本的には「自分は自分のまま」だと考えていました。多くの人が大きく変わらないのは、それがいかに難しいかを示しています。
変化を難しくする要因はいくつかあります。
- 遺伝的な性格や幼少期の経験が、自制心の基礎的な水準を形作っている。
- 現在のモチベーションの量。長期的には変えられても、枯渇している時期には限界がある。
- 深く根付いた習慣や生き方の影響。これらが「デフォルトの傾向」を決めてしまう。
変化は可能
ここで「簡単に自分を変える方法」を期待しているなら、それは違います。私は自制心を高めようと何年も努力し、ようやく進歩が見え始めました。そしてさらに数年かけて、本当に変化が「腑に落ちた」のです。
その過程には多くの挫折や停滞がありました。そのたびに失敗のように感じました。しかし10年後に振り返ると、当時の自分と比べてどれだけ進歩したかが明確にわかります。
変化は多面的で、精神的・人間関係的な側面も含まれます。ここでは詳しく触れませんが、それらも私の歩みにとって重要でした。
変化を育むための4つのヒント
私自身の経験から、特に役立ったヒントを4つご紹介します。その中でも最初のものが、最も大きな違いを生みました。
1、努力を増やす
以前の私は「より良い戦略こそ成果に大きな差を生む」と信じていました。妻にも「ただ頑張るだけではなく、もっと良い計画が必要だ」と言っていました。しかし今ではその考えを180度改めました。
本当に変えたいことがあるなら、一番シンプルで効果的な方法は「もっと頑張ること」です。多くの人は自分が頑張っていると思っていますが、実際にはそうではありません。できる限り努力してみてください。私のように驚くはずです。
2、自分をモニターし、進歩を記録する
もう一つの大きな転機は、進歩を「見える化」したことでした。毎日やりたいこと(例えば執筆)があれば、記録表を印刷して必ず目に入る場所に貼りました。
頭の中のアイデアを現実の形にすると、より実感が湧きます。記録表は優先順位を明確にし、自分に言い訳を許さなくなります。
3、小さく始めて勢いをつける
一度にすべてを変えようとした時期もありましたが、うまくいきませんでした。成功したのは、小さな部分に焦点を当て、自制心を少しずつ鍛えていったときです。進歩が出るとモチベーションが高まり、成功体験を基盤にさらに積み重ねることができました。
4、背中を押す目的を見つける
最後に学んだ重要な教訓は、「自制心を高めたい理由」を自分が本当に大切に思う何か、あるいは誰かと結びつけることです。
「もっと良い気分になりたい」「成功していると感じたい」と思ったこともありました。それらが間違っているわけではありませんが、十分に強い理由にはなりませんでした。
自制心の欠如が妻や子どもたちに影響していると気づいたとき、私は本気で努力するようになりました。あなたも、自分の人生でその「目的」を見つけ、それを原動力にすることを強くおすすめします。
(翻訳編集 井田千景)
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